座席の配置が転換クロスシートとなっている在来線におけるマナーについて、今回は取り上げる。進行方向に向かって座るタイプは新幹線や特急だけではない。関東地区以外ではふつうの電車もすべてロングシートではない。
在来線の普通電車にも転換クロスシートがある路線は東京近辺の関東地区にはない。ロングシートが主流である。そのため、首都圏の人は知らないことが多い。
転換クロスシートは、JRでは東日本を除くずべての会社のどこかの路線には付いていることが多い。中距離電車となると、転換クロスシートのケースが半数以上となっている。
始発駅での注意点とは?
- 座席を進行方向に向かって座れるようにする
- 向かい合わないようにする
- 荷物を隣に置かない
転換クロスシートの場合、特に始発駅で乗客全員のマナーが求められる。折り返し電車では、乗客自身が座席の配置を変えるケースが多い。
乗車して座席に着席する際には、座席を進行方向に変える必要がある。そのままだと、後ろ向きに座ることとなってしまう。
通常はすべての座席が進行方向に向かって座る配置となっているため、どこかの座席が後ろ向きだと対面する箇所ができてしまう。
なるべく乗客同士が対面で座るようなところは避けるべきである。そうならないために、少なくとも自分が座る座席は配置を気配りする必要がある。
なお、始発駅であっても折り返し電車ではなく、車庫や留置線から出てきた電車はすでに座席が進行方向に向かっている配置となっていることが多い。
その際には何もせずすぐに着席して問題ない。電車の性質に合わせた行動が求められるのが、転換クロスシートならではの特徴といえるだろう。
2人1組で座る
転換クロスシートの場合、通常は2人掛けの座席が隣り合っている。路線によっては、1人掛けのところもあるが、こちらは少数派である。
窓側と通路側の座席があることになるが、基本的には窓側の座席から座っていくのが好ましい。後に座る人が通路側に座るという形が好ましい。
初めから通路側の座席に座っていると、「隣に座らないでください!」といっているようなものとなることが少なくない。
他の乗客に対して失礼な態度であるという意見も少なくない。後から座る乗客が、やむを得ず窓側の座席に座ればいいという声もあるが、そうなるとすでに座っている人の膝元を通らなければならない。
この際に、蹴ったとか、靴の汚れで服に汚れが付いたなどといったトラブルの原因となる可能性がある。
まずは、窓側の座席から座っていくのが転換クロスシートのマナーである。
こうした特徴から、転換クロスシートではロングシートとは違って、相手とのやり取りをするコミュニケーション能力が必要になるといっても過言ではない。