JR各社への就職では文系と理系のどちらが有利になるのか。大卒向けの新卒採用の職種である総合職、現業職(プロフェッショナル職)それぞれの学部学科に関する事情を調べてみた。
結論を言うと、採用までの難易度や倍率を考慮すると圧倒的に理系出身者の方が簡単である。相対的に文系の就職は難しい。
これは総合職でも現業職でも同じ傾向にある。技術系の職種の方がどうしても応募者数が少ないため入りやすいという性質がある。
総合職の文系・理系それぞれの優劣
JR各社 | 総合職(事務系) | 総合職(技術系) |
JR北海道 | 難 | ふつう |
JR東日本 | 最難関 | 難 |
JR東海 | 最難関 | 最難関 |
JR西日本 | 最難関 | 難 |
JR四国 | 難 | ふつう |
JR九州 | 最難関 | やや難 |
JR貨物 | 難 | ふつう |
JR各社の総合職はどこの会社でも入社は非常に難しいレベルに達する。倍率は本州JR3社は特に100倍以上には軽く達する。インフラ会社や鉄道会社を志望する学生なら誰でもまずはエントリーする。
総合職は特に本社勤務のエリートコースとみなされることもあって、現業職よりも難易度が上がる。
事務系と技術系の2つのコースに分かれるものの、まだ難易度が低いのは技術系になる。したがって、JR各社の総合職の就職でも理系の方が有利に働きやすい状態にある。
JRグループ以外の鉄道会社(私鉄)においても、総合職に関しては同じような傾向が見られる。
応募者数が割合的に少ない技術系のコースの方が難易度が下がる。その分内定を獲得するのは簡単にはなる。
JRグループでは同じでも
JRグループという点では同じ括りであっても、実際の入社までのレベルは各社で全く違う。
参照:鉄道会社の就職難易度の一覧! 偏差値の順位をランキング化
JR東日本、東海、西日本の3社はやはり内定獲得が特に厳しい。
文系をターゲットする事務系コースではほとんどの学生が必ず不採用となって落とされる。
理系をターゲットとする技術系でさえもほとんどの応募者は不採用になってしまう。
一方のJR北海道、九州、四国の島3社の場合は理系なら比較的枠に余裕が生まれやすい。倍率が数倍には最低でも達するものの、本州3社のように激戦ほどにはなりにくい。
文系の場合だとそう簡単ではなくなる。日本の大学生全体の文理構成比を見ても圧倒的に文系がメジャーである。買い手市場になりやすい構造がここですでにできている。
現業職(プロフェッショナル職)の文系・理系それぞれの優劣
JR各社 | 運転士・車掌・駅員 | 保線・電気・制御・建設(技術系) |
JR北海道 | ふつう | ふつう |
JR東日本 | やや難 | ふつう |
JR東海 | 難 | やや難 |
JR西日本 | やや難 | ふつう |
JR四国 | ふつう | ふつう |
JR九州 | ふつう | やや難 |
JR貨物 | ー | ふつう |
現業職はJR各社では「プロフェッショナル職」と呼んでいるところが多い。こちらは運輸系と技術系の2コースに分かれるところがほとんど。
総合職はJR各社を受ける人は多くが応募するコースだが、現業職は特定の人しかそもそもエントリーしない。
主に鉄道に興味関心があったり、JRという安定した企業に魅力を感じた人が多く応募する。文系・理系の比較だと、同じく理系の方が文系よりも有利に進みやすい。
ただし、現業職はそもそも技術系でも文系出身者を採用する事例が少なくない。
技術系とはいえ、大学で学ぶほどの技術的な知識が求められない。あくまでも入社後にいろいろ学ぶことになる。
新卒採用の時点では文系・理系の差は総合職ほど重視はされない。