警察の交通取り締まりの本来の目的とは何か。どういった趣旨があるために多くの違反者を捕まえているのか。
現実と目的はかなりかけ離れていると感じることが多い。速度違反車や信号無視・一時不停止の人を検挙するために隠れて行うのは、法律で定められた目的とは言えないものであり、こうした意見を支持する人はかなりの数がいる。
これが本来も目的!
速度超過・信号無視などの交通取り締まりの本来の目的とは以下のことが挙げられる。
- 交通事故を防止するため
- 交通秩序を維持して安全な環境を維持するため
道路交通法の第1条には次の文面が書かれてある。
この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする。
道路上において交通事故の原因となるドライバーや、適切な交通の流れを妨げる人を排除することが警察による交通違反者取り締まりの目的である。
交通違反の内容の中でも一番検挙者が多いのが速度超過(スピード違反)である。これにも明確な目的がある。
道路上を走る自動車が適正な速度で走ることによってスピードの出し過ぎによる交通事故が起きないように、過剰にスピードを出して走行しているドライバーをなくすことが速度取り締まりの趣旨である。また、自動車の走行によって生じる騒音や振動などの公害を抑えるためでもある。
みんな交通秩序を乱しているの?
しかし、実態はどうなっているのか。今回この記事を読んでいる人であれば少なくとも感じているものだろう。
速度取り締まりであれば、15~20km/hオーバーで走らせているドライバーも捕まえている。実勢速度で走っている車を多数検挙しているのが現状であるが、これが本当に交通の秩序を乱していて事故の原因を作っているといえるのだろうか。
実勢速度とは、該当する場所を走行しているほとんどの自動車が出しているスピードのことを指す。もし仮に実勢速度で走行するドライバーが交通事故の原因であって円滑な交通の秩序を乱しているのであれば、大部分の人が悪者ということを意味してしまう。
常識的に考えれば、「みんな」に合わせることが交通事故を引き起こす原因になったり円滑な交通を乱しているとは到底定義できない。
こうした部分が、交通取り締まりの本来の目的と今警察が行っている実態とでかなり食い違っている部分であるといえる。ただドライバーから金目当てで取り締まっていると判断されてもおかしくはないだろう。