JRの新快速に乗る際には乗車券のみで乗れる。したがって、追加料金は一切かからなく、別売りの切符を購入する必要がない。普通列車と同じ扱いであるため、使用される車両は一般的な通勤電車であり、指定席も存在しない。
なぜ追加料金はない?
新快速が登場したのは、関西・京阪神地区では国鉄時代の1971年、名古屋地区はJR化後の1989年のことである。いずれも従来の快速よりもさらに所要時間が早い電車を設定するために行ったものだ。
特急はあくまでも都市間輸送のための速達列車であり、通勤客や買い物客を運ぶための電車ではない。新快速は通勤やちょっとした移動で気軽に乗れる優等列車という役割を持っている。そのため、使われている車両は普通電車と同じものである。当然ながら、料金も全く同じだ。
JR西日本とJR東海の区間のどちらも、並行する私鉄との競合対策として走っている種別であるのもまた特徴だ。
京阪神地区では、JR東海道線・山陽本線と並行して阪急・阪神・京阪・山陽電鉄が走っている。線路は互いにそれほど離れてはいない。私鉄でも速達列車が多く組み込まれているため、それに対抗するためにJR側は新快速を走らせている。
名古屋地区では、東海道本線沿いに名鉄名古屋本線が走っている。通過駅が設定されている豊橋~名古屋~岐阜の区間ではすべて名鉄がすぐそばを走っている。
名鉄でも追加料金なしで乗れる快速特急・特急を運転している。新快速はこれに対抗するための手段の代表格だ。
JRが独占する地域を走行していないからこそ、新快速という追加料金なしで乗車券のみで乗れる速達列車を走らせているというわけだ。そして、所要時間を従来よりも短くしているからこそ、JR側に多くの利用客が流れているのである。