JR京葉線とりんかい線の相互直通運転が実現する可能性はないと言われているが、乗り入れが実施されるという計画は本当にないのだろうか。線路は両路線とつながっているものの、運賃計算の問題があるため、乗客は新木場駅にて一度改札外乗り換えをしなければならない。
朝や夕方のラッシュの時間帯となると、京葉線の新木場駅は非常に混雑する。エスカレーターや階段は乗り降りする人で溢れかえる。なかなか人の流れが進まないということで、この時間帯となるとイライラする乗客もかなり多い。
新木場駅のホームは決して広くはない。1面2線の駅構内となっていることもあって、ラッシュの時間帯には向いていない構造となっている。それに対して、1日当たりの乗り換え客数は12万人に達する。京葉線とりんかい線の相互乗り入れが始まればその4分の1が減ると見込まれている。
そんなに便利になる!
新木場駅を経由して京葉線とりんかい線の直通運転が実現すれば、乗り換えなしで京葉線からりんかい線内へ行ける。また、渋谷や新宿からも乗り換えなしで東京ディズニーリゾートまで行けるようになる。
現在は、山手線や京浜東北線などを使って東京駅にて乗り換える必要がある。しかし、京葉線の東京駅のホームは他路線のホームがある場所からかなり離れている。乗り換えの際には500m近く歩かなければならない。
しかも京葉線のホームは地下にあるため、階段やエスカレーターも多く使わなければならない。到底便利であるとは言い難いものなのは間違いない。
千葉県内の京葉線沿線に住む住民にとっても大きなメリットとなる。京葉線単体だと、東京駅が終点である。そこ以外の都心へ行こうとすると、東京駅にて長い距離を歩いて他路線へ乗り換えるか新木場駅にてりんかい線もしくは東京メトロ有楽町線に乗り換える必要がある。
りんかい線との直通運転が行われれば、新木場駅で乗り換えることなく電車1本で都心部へ行ける。大崎から渋谷、新宿、さらには池袋まで行ける。
地下鉄有楽町線の利用者にとってもメリットがある。新木場駅でりんかい線へ乗り換える人が乗降しなくなることで、新木場駅の混雑度が緩和される。これまでよりもスムーズに乗り換えができるようになる。
たった数分の違いであったとしても、乗り換えがあるかないかでは便利さは大きく異なってくるのは確かだろう。
運賃計算の問題が!
しかし、運賃の計算処理の問題があるということで実現には至っていない。京葉線からりんかい線内の駅へ行く場合であれば、JRと東京臨海高速鉄道の運賃が自動的に算出されるため特に欠陥はない。
ただ、京葉線から東京臨海高速鉄道りんかい線を経由して埼京線へ行った場合、ICカードでは最安経路としてJRのみを利用した場合の運賃として計算される。東京臨海高速鉄道の取り分はゼロになってしまうというわけだ。
今のところは新木場駅で改札外乗り換えするという形式になっているため、りんかい線を使った人が東京臨海高速鉄道へ運賃を支払う仕組みになっている。しかし、改札内乗り換えや相互乗り入れが実現した場合には、東京臨海高速鉄道の運賃の取り分はかなり少なくなってしまうのが現状だ。
運賃の計算方法の問題が残っているということから、現在のところはJR京葉線と東京臨海高速鉄道りんかい線の相互直通運転の実施計画は具体化されていない。