山陽新幹線の新大阪~博多の区間、Wi-Fiはまったく使えない!?

山陽新幹線の区間となる新大阪~博多では残念ながら公衆無線LANであるWi-Fiは使えない。JR西日本の管轄となる部分ではたとえN700系による運転であっても利用不可となっている。

のぞみ・ひかり・こだまのいずれもWi-Fiの設備は付いていない。九州新幹線への直通列車であるみずほ・さくらについても同じく利用不可となっている。

あくまでもWi-Fiが利用できるのはJR東海が管轄する東京~新大阪の東海道新幹線の区間のみ。また、旧式の車両である700系においてはまったく設置されていない。


なぜ山陽新幹線内では使えないのか?

山陽新幹線

ここで1つ疑問に思う点がある。なぜ東海道新幹線の区間ではWi-Fiが整備されているのに同じく乗り入れている山陽新幹線では突然使えなくなるのか。

最大の理由は、設備投資にかかるコスト面の大きさであろう。無線LANの設備をすべての編成に設置するには膨大なコストがかかる。また、線路に周辺にもインターネット環境への接続機器を設けなければならない。

東海道新幹線はドル箱

新幹線の走行速度は時速300キロメートル近くにも達するため、高速で移動する物体の中からでもインターネットへのアクセスができるようなシステムが必要となる。これは、一般的に地上で使うWi-Fi設備よりは高コストになるのは想像がつくだろう。

東海道新幹線の場合、東京・名古屋・大阪という日本の三大都市を結ぶということで利用者数がかなりの数に及ぶ。旅客収入はかなりの金額に達し、大幅な黒字となっている。

Wi-Fiが使えない山陽新幹線

ドル箱路線と呼ばれるほどであり、収益性の良いJR東海ではWi-Fi設備に投資できる資金には余裕がある。

これにより、新しい車両であるN700系シリーズではWi-Fiが利用できるようになっているというわけだ。

JR西日本に資金的な余裕がない

山陽新幹線のの場合、大阪・広島・福岡の都市ということでJR東海の区間と比べると利用者数は少ない。そのため、Wi-Fi設備に資金を費やせるほどの余裕がないというのが現状だと考えられる。

新しい車両であるN700系は何とか投入できたものの、それ以上にWi-Fiのような細かな設備にまでコストはかけられない。運行しているJR西日本自体も、本州JR3社の中では収益力は乏しい。

私鉄との競合が激しい近畿地方では、旅客収入は決して潤っているとは言い難い。そんな事情から、JR東海が管轄する東海道新幹線では利用できるWi-Fiは、山陽新幹線の新大阪~博多では利用できないというわけである。

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