近鉄京都線の朝ラッシュにおける混雑はどのくらいの規模に達するのか。特に京都方面へ向かう電車では、混み具合はどんなレベルに毎日なっているのか。
同じ近鉄でも、大阪市内へ直結している奈良線、大阪線、南大阪線においては、朝の通勤通学の時間帯の混雑はかなり激しい。関西地区ではトップクラスに部類されるほどのレベルとなっている。
京都線はそこまではひどくはない。京都~奈良県内を結ぶ路線ということで、移動する人の数が少ない。慢性的な輸送力の不足が起きているわけではない。
とはいえ、それでも近鉄京都線は大阪市内へ乗り入れる路線以外ではトップクラスの混雑度を誇る。朝のピークとなれば、もはや満員電車以外何者でもない。
乗車率は120%以上にも
国土交通省が毎年公表している路線別の朝ラッシュのピーク時の混雑率では、近鉄京都線は127%という数値を記録している(2016年のデータ)。
近鉄奈良線、大阪線は130%台であるため、京都線もこれとは大差ない。需要に対して供給力がやや不足気味にはなっている感じがする。
朝のラッシュの時間帯とは、7:30~8:30の60分間を指すことが多い。この時間帯に、京都市の郊外から市内中心部へ向かう人が一斉に移動する。
京奈間の鉄道路線としては、近鉄京都線とJR奈良線がともに並行して走っている。しかし、JR奈良線は単線であることもあり、輸送力は低い。近鉄京都線がメインの座を勝ち取っている。その分、混雑も激しい。
また、終日に渡って急行と各駅停車が運転されている。朝も急行の運転が行われている。乗車率には差がみられる。
急行の方が全体的に混んでいる。朝だと乗車率は120%を超えるのは間違いない。車両によっては、150%程度まで達すると思われる。これは、ドア付近だと他の人と接するか接さないかの瀬戸際となるくらいのレベル。
遠距離利用者は所要時間が短い急行に殺到するため、どうしても通過駅のある電車が激しい混雑となる。
最も混雑するのか向島→桃山御陵前
近鉄京都線において最も混雑する区間は、向島→桃山御陵前である。桃山御陵前駅は京阪本線との乗り換え駅ということで、ある程度の乗客が降りていく。
向島駅までは、沿線の住民が京都市内方面を目掛けてひたすら乗ってくる一方。桃山御陵前までは停車駅に止まるたびに混雑が激化していく。
127%という混雑率を記録しているのも向島→桃山御陵前の区間というわけだ。
竹田駅に到着すると、いよいよまとまった数の乗客が降りていく。京都市営地下鉄烏丸線と接続していることから、京都駅より奥の中心地区へ行く人が一斉に乗り換える。
近鉄京都線からの直通列車もあるほど。竹田駅から北側においては、混雑が和らぐ。しかし、それでも朝だと座れない可能性が高いのもまた事実。とても空いているとは言い難い。