【なぜ?】関西本線の本数が少ない理由とは!? 30分に1本だけ

JR東海の関西本線の本数は周辺の路線と比べてかなり少ない。普通列車(各駅停車)は30分に1本しかなく、時間帯によっては1時間に1本となるほど間隔が空くことがある。

普通以外には快速が毎時2本運転されている。四日市駅から伊勢鉄道経由で津方面へ向かう「快速みえ」と亀山方面へ向かう単なる「快速」が走っている。

しかし、すべて合わせても毎時4本しか走っていない。名古屋地区のほかのJR線と比べると半分ほどしか電車がない。

並行する近鉄名古屋線と比べてもかなり少ない。近鉄は特急以外に急行と各駅停車がそれぞれ毎時3本、20分間隔で走っている。さらに準急も毎時2本走っている。

JR関西本線

なぜ関西本線だけこんなに電車が少ないのか。


理由=単線だから!

関西本線が単線だからという点が最大の理由だろう。部分的には複線となっているものの、名古屋~亀山間の大部分は単線となっている。

もともと関西本線ではほとんど旅客化が進んでこなかった。JR化される前の国鉄時代は2、3時間に1本しかなく、非電化路線だった。走っている列車はほとんどが貨物列車だった。

単線の関西本線

1982年にようやく電化され、本数は1時間に1本となったが、それでも普通電車だけのダイヤで快速もなかった。

JR化された後の1990年頃から快速みえの運転開始や1時間当たり2本への増発が行われた。今のようなダイヤ設定になったのはそう遠い昔ではない。

ただし、電車の増発には限りがあるのが関西線ならではのネックとなっている。単線のため、線路容量には限りがある。今の運転本数でさえすでに限界に近い。

近鉄名古屋線や東海道線、中央線のように高頻度で電車を走らせることができないのが関西本線の事情だ。

沿線のJR利用者も少ない

関西本線の供給力がないのは確かだが、そもそも需要が少ないのも否定できない。沿線の形式を見ると、あまり住宅街は広がっていなく、田園風景が広がるところが多い。

関西本線と並行する近鉄名古屋線

途中駅も市街地の中心部からは離れているところが多い。並行する近鉄名古屋線の駅周辺が中心部となっている例が多い。

弥富、桑名、富田などは近鉄の駅と同じ位置にあるため、駅周辺も開発が進んでいるものの、JR単独の部分では乗降客がかなり少ない。

名古屋~三重方面はあくまでも近鉄名古屋線が主流という構図になっている。そのため、JR東海の関西本線の需要が少ないというのが現実といえる。

仮に関西線の本数が多くなったところでも、JRの利用者が増えて近鉄名古屋線の乗客が少なくなるといった現象が起きるかは不透明だろう。

おすすめ記事