近鉄名古屋線とJR関西本線(快速みえ含む)の2つの路線を比較してみた。どちらも名古屋駅から桑名、四日市を通る。さらに津や松坂、鳥羽方面と乗り入れする電車が走っている。
どちらも概ね並行して走る路線だが、運賃の料金や所要時間、運行本数は大きく違う。それぞれメリットもあればデメリットもある。
名古屋から三重県まで鉄道を使うのであればこれら2路線のいずれかを利用することとなる。あなたはどっち派だろうか。
運賃は名古屋~四日市間はJRが安い
近鉄名古屋線 | JR関西本線 | |
名古屋-四日市 | 620円 | 470円 |
名古屋-津 | 1010円 | 1270円 |
名古屋-松坂 | 1260円 | 1650円 |
運賃に関しては、乗る区間によって安い方が違ってくる。基本料金の場合は近鉄名古屋線の方が安い値段に設定されている。
乗車券のみの場合でも、JRは原則として近鉄よりも割高となっている。しかし、関西本線の場合はすべてが定価の幹線料金が定期用されているわけではない。
近鉄名古屋線と並行して走っていて競合する関係となっているため、JR東海では「特例運賃」を設けている。具体的には、名古屋~四日市間である。
このJRの特例運賃の区間のみの利用の場合、近鉄より割安になる。名古屋~四日市間でJRは470円、近鉄は620円。JRの方が150円格安ということがわかる。
したがって、名古屋~四日市間だけ乗るのであれば、近鉄名古屋線よりもJR関西本線の方が安い。
基本的には近鉄の方がJRより安い!
一方で四日市から先の伊勢方面だと、近鉄の方が割安となる。
名古屋~津では、JRが1,270円(伊勢鉄道経由)、近鉄が1,010円となっている。JRは亀山駅経由でも移動できるが、こちらは1,320円とさらに高い。
近鉄名古屋線の急行とJR東海の快速みえ号なら津まで乗り換えは一切ない。ただ、津まで行くと近鉄の方が安いことがわかる。
名古屋~松坂でもJRは1,650円、近鉄は1,260円ということで、近鉄の方が390円安い。特急を使うと2,580円に跳ね上がるが、急行であれば乗車券のみで良いためかなり割安になる。
所要時間は運賃に反比例
所要時間に関しては、最速は当然ながら有料列車である近鉄の特急である。賢島や大阪方面へ向かう特急は停車駅がかなり少なく抑えられている。
最高速度は120km/hに設定されているため、急行の110km/hよりも速い。すべて指定席であるため、確実に座れるというメリットもある。
ただし、特急料金が別途必要になる。特急に乗ると、合計でかかる料金は急行の2倍以上となる区間が多い。
近鉄名古屋線の急行とJR関西本線の快速を比べると、JRの方が所要時間が短い。近鉄側は停車駅がやや多い。
JR関西本線はほとんどの区間で単線となっているため、それほど飛ばせないものの、停車駅が圧倒的に少ないため、若干近鉄名古屋線の急行より所要時間が短くなっている。
名古屋~四日市間に限れば、JR関西本線の方が早い。ただし、定時運行率は近鉄の方が良い傾向が見られる。単線の関西本線は遅れる例が少なくないのが欠点といえる。
本数は近鉄名古屋線が圧倒的多数
電車の本数は近鉄名古屋線が圧倒的に多い。単線のJR関西本線にとってはこの点ではかなり不利な環境となっている。
近鉄では、急行が1時間当たり3本、概ね20分間隔で走っている。近鉄名古屋駅から松坂駅または五十鈴川駅まで乗り入れる。
有料列車の特急も1時間当たり4本走っている。大阪方面へ行く名阪特急が2本、宇治山田・賢島方面へ行く伊勢志摩特急が2本となっている。
JR関西本線の場合、快速みえが1時間に1本、亀山発着の快速が1時間に1本ということで、近鉄よりも快速系の電車が少ない。普通電車も30分に1本しかないため、すべて合わせても近鉄名古屋線より少ない。
近鉄名古屋線では、名古屋駅の時刻表を見ると、特急と急行以外では準急が毎時2本、各駅停車が毎時3本運転されている。全部合わせると1時間当たり12本だ。
完全に都市型のダイヤとなっている。対するJR関西本線は4本のみとなっていて、地方の田舎の形というのは否定できない。