JR京浜東北線と上野東京ライン(東海道線・宇都宮線・高崎線)ではそれぞれ違いは何か。大宮~横浜間では並行して走る。主要駅であれば同じ駅にも止まる。
かつて、上野駅と東京駅の間は京浜東北線と山手線しか走っていなかったため、東海道線と宇都宮線、高崎線(東北本線)を乗り継ぐためには、京浜東北線または山手線を使うしかなかった。
東京駅はあくまでも新幹線や神奈川方面への玄関口でしかなかった。常磐線を含む北関東方面への玄関口は上野駅だった。
しかし、上野東京ラインが2015年に開業したことで、乗り換えなしで行き来できるようになった。現在は、京浜東北線との役割がまったく違っている。
京浜東北線=各停、上野東京ライン=快速
並行して走る点ではどちらも同じだが、停車駅はその数の面で大きく違う。京浜東北線は小さな駅にも停車し、駅間距離が短い。対する上野東京ラインは、大きな主要駅にしか止まらない。
例えば、東京と上野間では、京浜東北線は神田・秋葉原・御徒町の3駅に停車する。上野東京ラインだと、この区間はノンストップで、線路上にもホームはない。
停車駅が違うということで、所要時間も異なる。駅数が多い京浜東北線の方がどうしても時間はかかってしまう。
東京→上野間では、京浜東北線だと7分、上野東京ラインは4分となっている。小さな駅に止まる反面、3分遅いというわけだ。
したがって、上野東京ラインは京浜東北線に対する「快速」という存在になっているといえる。
ある程度長い距離を移動するのであれば、所要時間が短い上野東京ラインの電車を使うのが良いだろう。
混雑はどちらが緩やか?
朝や夕方の通勤ラッシュ時の混雑については、乗車率はどちらもほとんど変わらない。都心方面へ向かう電車はいずれも超満員となっている。始発駅でない限り、座席に座るのは難しい。
東海道線・宇都宮線・高崎線は、首都圏郊外と東京都心などを行き来する人が使う。京浜東北線や都心部を移動したり、小さな駅を乗り降りする人が使う。
ただし、途中駅で座れるチャンスが多くやってくるのは明らかに京浜東北線の方である。駅数が多いため、乗客の入れ替え頻度が多い。
上野東京ラインは、主要駅にしか止まらないため、長い距離を乗り続ける乗客が多い。回転率は悪く、途中駅で座れる確率が小さい。
まとまった数の乗客の入れ替えが起きるのは、東京駅や品川駅、横浜駅、赤羽駅、大宮駅などに限られる。
混んでいる状態でもできるだけ座りたいのであれば、所要時間が長いという欠点はあっても、京浜東北線を選ぶのが良いかもしれない。
本数は圧倒的に京浜東北線が多い
電車の運行本数の面では、京浜東北線の方が圧倒的に多い。どの時間帯においても、上野東京ライン側が少ない。
京浜東北線では、オフピークの日中の時間帯であっても5分間隔で走っている。最も少ない南浦和~大宮間でも最低10分間隔となっている。
一方の上野東京ラインは、1時間当たり6本、平均して10分間隔でしか走っていない。上野~品川間では常磐線の電車もあるが、それでも合計して毎時8本に限られる。
次から次への電車がやってくるのは京浜東北線の方であることには変わりない。朝や夕方のラッシュの時間帯も、2,3分間隔で運転されている京浜東北線の方が多い。
ちょっとした距離であれば、わざわざ停車駅の少ない上野東京ラインの電車に乗らずに京浜東北線の方を使った方が早く目的地へたどり着けることもある。
停車駅が多いからといって目的地まで行くのにかかる時間も遅いとは限らないのが、本数が多い京浜東北線ならではの特徴ともいえる。
上野東京ラインの本数が10分に1本!? なぜこんなに少ない?