JR武蔵野線では、すべての電車にトイレは設置されていない。近郊型車両ではなく短距離向けの通勤列車ということで、御手洗の設備は整備されていない。
現在のところ、武蔵野線を走る車両はE231系、209系、205系が充てられている。8両編成で運転されているものの、どの車両にもトイレは一切付いていない。
そのため、乗客はどこかの途中駅で降りて駅構内にあるトイレを使うしかない。
なぜトイレは付いていないのか?
トイレが付いていない路線に共通することといえば、走行距離が短いか本数が多くて駅は小間隔であることが挙げられる。
山手線や京浜東北線にトイレが付いていない理由はここにある。ただ、武蔵野線の場合は東京~府中本町間で考えると、路線距離は約96kmにもなるため長い。
武蔵野線単独の区間に当たる府中本町~西船橋間でも約75kmもあり、決して短いとは言えない。
駅間距離も特に西側半分は比較的長いところが多い。もともとは貨物線として作られたことから、このようなつくりとなっている。
もっとも、乗客の多くは長い距離を利用する人はあまりいない。都心部から放射状に延びる各路線を結ぶという性質が大きいため、全線に渡って乗り続ける人はほとんどいない。
近距離輸送の役割が非常に大きいことから、武蔵野線ではトイレが設置されていなく、短距離路線という形になっている。
駅構内も不便なところが多い
ところで、武蔵野線の線路は高架上を走るところがほとんど。1960年代以降にできた路線ということで、踏切は1か所もなく、高架または地下を走っている。
駅も高架上にある例が大半となっている。しかし、これらの駅では改札は地上階にあるところが多く、トイレもそのあたりにある。
電車を降りてもトイレがすぐそばにあるわけではない。しかも、改札階とホームを連絡する階段やエスカレーターはホームの端に1か所あるだけのようなところがあり、トイレが利用しにくい環境となっている。
電車の中にトイレがないから途中下車して駅構内の御手洗を使おうとしても、実際問題として簡単ではないのが欠点。
もしお腹の調子が良くないのであれば、武蔵野線の電車に乗る前に万全の体制にしておくのが極めて好ましい。