スピード違反の中でも特に軽微な青切符レベルで検挙されたときに否認すると、その後はどうなるのか。起訴されて裁判になる可能性はあるのだろうか。
スピード違反、つまり速度超過は検挙数が交通違反の種類の中では一番多い。常に取り締まりランキングのトップに君臨するものであり、捕まったという経験がある人は決して少なくないだろう。
毎日自動車を運転する人であれば、取り締まりの餌食になったことが1度はあるという人が意外に多い。特に信号機が少ない地方ではスピードが出しやすい道路が多いため、速度超過で捕まりやすい。
道路の規制速度を+10km/hを超えて走っていると検挙される可能性が出てくる。しかし、中には警察の誤認で捕まるという例もゼロではない。「冤罪」と呼ばれるものである。当然ながら、交通法規を守っているのに捕まったら納得はまったくいかない。その場合は絶対に否認するべきだ。
また、規制速度の数値や警察の取り締まり方法自体に不服があるという人もいるだろう。実勢速度と同じくらいのスピードで走っていたにもかかわらず警察に捕まった場合、なかなか納得のいかないものであると感じる人は多い。
警察が規制速度を設定できる権限があるのは確かな事実であるが、それに対して意見を持つのは個人の自由である。取り締まりで検挙された時に、警察官が主張する供述を認めるか認めないかもまた個人の自由である。したがって、もし異議があるのであれば否認してもまったく問題ない。
否認すると免許証の点数はどうなる?
では、スピード違反で止められた時に否認した場合どうなるのだろうか。青切符が実際に切られると、免許の点数も引かれてしまう。免許証の点数の減点は刑事手続きではなく行政処分という形となっているためだ。
行政処分とは、「行政庁が、行政目的を実現するために法律によって認められた権能に基づいて、一方的に国民の権利義務その他の法律的地位を具体的に決定する行為」(Wikipediaより引用)である。
つまり、役所などの機関が証拠の有無を問わず何らかの規制などをかける行為というわけだ。免許証の点数でいえば、「交通違反した疑いが多かれ少なかれある」ために免許証の点数が減点されてしまうことになるというわけだ。
警察に止められて最初のやり取りの時から容疑を否認すれば、切符の交付作業に進まない警察官もいる。否認した場合、交通切符を直ちに切るかそうではないかは、現場の各警官によって異なる。そのため、点数についてはどうなるかはわからないのが現状だ。
裁判になる可能性は?
一方、否認した場合の該当する出来事が有罪になるか無罪になるかは刑事事件による手続き後裁判を通じて行われることになる。ただし、青切符レベルの軽微な速度超過の場合、ほとんどが起訴されない。不起訴処分で終わり、裁判までは発展しないケースが99%だと言われている。
特に、速度超過そのものを否認した場合は起訴されないケースがほとんどである。スピード違反をしたという自白がない限りは、青切符のような軽微な違反では不起訴になると考えてよいだろう。
速度取り締まりの方法や実情とは合わない規制に対して不服があることが理由で否認した場合でも、裁判にはならないケースが大半を占める。ただ、速度超過をしたという事実を認めてしまうとやや不利になってしまう。
公安委員会(警察のこと)には規制速度を決める決定権があるため、たとえ実情とは一致しないような制限速度になっていたとしても、もし裁判になった際には主張が認められない可能性が考えられる。
とはいえ、何度も言うが青切符に該当するような軽微な交通違反の場合、そもそも検察に送られて正式裁判へ起訴される例があまりない。不起訴という形で何事もなく終わるのが大半だ。あまり裁判になった時のことを深く考える必要はないだろう。