日本の地下鉄の最高速度は各鉄道会社は路線によって異なる。最も速いのは神戸市営地下鉄西神・山手線の90km/hである。地上区間を含めると東京メトロ東西線の100km/hである。それ以外だと、概ね60~80km/hが主流となっている。
80km/h出せるのは、日比谷線・東西線・千代田線・半蔵門線・有楽町線・南北線・副都心線の7路線である。つまり、銀座線と丸ノ内線以外ということになる。
同じ東京23区内でも都営地下鉄は70~75km/hまでしか出せない。旧営団地下鉄の東京メトロの方が速いことがわかる。
全国の地下鉄の最高速度と該当路線
鉄道会社 | 最高速度 | 該当路線 |
東京メトロ | 100km/h | 東西線の地上区間 |
80km/h | 銀座線と丸ノ内線以外 | |
都営地下鉄 | 75km/h | 新宿線・三田線 |
大阪メトロ | 70km/h | 全線 |
京都市営地下鉄 | 75km/h | 全線 |
神戸市営地下鉄 | 90km/h | 西神・山手線 |
名古屋市営地下鉄 | 75km/h | 桜通線・鶴舞線 |
福岡市営地下鉄 | 75km/h | 空港線・箱崎線 |
仙台市営地下鉄 | 75km/h | 南北線 |
札幌市営地下鉄 | 70km/h | 全線 |
東京メトロは全体的に高め
東京メトロの各線は全体的に最高速度が全国各地の地下鉄と比べると高めに設定されている。東西線の地上区間は100km/h、それ以外は銀座線と丸ノ内線を除いて80km/hとなっている。
70km/h台が主流となっていることを考えると、東京メトロはややスピードを出せるということがわかる。
車両に関しても、郊外の私鉄各線と相互直通運転を行っていることもあり、100km/h以上出せるようなつくりになっている。
集電方式も架線方式を採用しているところが多く、第三軌条は丸ノ内線と銀座線のみとなっている。
神戸市営地下鉄西神・山手線も90km/h
神戸市営地下鉄西神・山手線においても最高速度は90km/hと、全国的に見て地下鉄の中ではスピードが速いことがわかる。
こちらも、北神急行電鉄と相互直通運転を実施している。運行形態も一体的に行われていて、実質的には1つの路線のような感じとなっている。
郊外へ行くと駅間距離も長くなることもあり、スピードを出しやすい環境が整っている。東京メトロ東西線の地上区間と似ているといっても過言ではない。
なぜJR・私鉄よりも遅い?
地下鉄の最高速度がJRや私鉄よりも全体的に遅い理由とは何か。
考えられる理由としては、以下が挙げられる。
- 駅間距離が短い
- カーブ・高低差が多い
- 風圧が大きくなる
まず、地下鉄は市街地を走ることから、こまめに停車駅がある。あまりスピードが出せずに次の駅に到着してしまう。
さらに、カーブや高低差も多い。多くは広い道路の真下を走ることから、どうしても道路に沿って線路にカーブを設けることになってしまう。
高低差もある。地下を走っていることで、トンネル内は平たんなつくりになっていると思うかもしれないが、地下にもさまざまな障害物がある。
水道管やガス管、他の地下鉄のトンネル、さらには高速道路のトンネルなどが地下には存在する。これらをよけるために、高低差が存在するのが地下鉄の特徴でもある。
風圧の原因にもなってしまう。地下の駅のホームは地上よりも列車風を受けやすい。風が抜ける通り道がないため、トンネル内の風圧はダイレクトに駅ホームに当たってしまう。
これもまた、地下鉄であまり速度が出せない理由であるのも間違いない。