東北新幹線は「喫煙ルーム」がない! 全面禁煙の理由があった

喫煙ルームがない東北新幹線

東北新幹線には喫煙ルームが設置されていない。はやぶさ・はやて・やまびこ・なすのは全列車において「全面禁煙」となっている。タバコにかなり厳しい形と言える。

山形・秋田新幹線のつばさ・こまちも同じだ。東海道山陽新幹線とは違い、なぜこのようにまったく喫煙ルームが設置されていなく、喫煙車もないのか。

分煙化することもなく完全に排除している理由について考察してみた。


全面禁煙の理由は3つ

東北新幹線において、列車内が全面禁煙となっている理由として考えられる内容は以下の3つになる。

主な理由 重要度 詳細な内容
受動喫煙を防ぐため ★★★★ 喫煙ルームがあっても、ドアから車内に煙が流れ込む
臭いの問題があるため ★★★ タバコを吸わない人にとって喫煙後の臭いが迷惑になるため
全面禁煙の社会的な流れ ★★★ 社会的に完全な禁煙が一般的になっているため

喫煙ルームが設置されている新幹線が走っているのはJR東海、JR西日本、JR九州エリアである。

東北新幹線はJR東日本、北海道新幹線はJR北海道が管轄していることで、会社ごとの考えの違いがある点も否定はできないが、合理的な根拠としてはこれらが正解と判断する。

>>【路線別】新幹線の喫煙ルームの有無! たばこ事情を調査

受動喫煙を防ぐため

喫煙ルームが設置されていても、デッキとの間のドアから煙が流れ込んでしまうことは多少は避けられない。

そうなると、通路にいる人が受動喫煙になってしまう。さらに、客室まで煙が流れ込むと大勢の人たちが受動喫煙となってしまう。

これを防ぐために、最初から新幹線の車内は全面的に禁煙にして、タバコを根本からなくすという対応と取っているものと思われる。

臭いの問題

タバコの煙は独特の臭いがあるが、それを吸った食後の人からも臭いが出てくる。喫煙後の臭いは、特にタバコを吸わない人から嫌がられる。

臭いはそんな禁煙者にとっては迷惑なものとなってしまう。場合によっては、対人関係のトラブルに発展することもある。

臭いの問題を防ぐためにも、東北新幹線で全面禁煙にしている理由の1つとして考えられる。

全面禁煙は社会的な流れ

もう1つの大きな理由として考えられるのが社会的な全面禁煙に対する流れである。新幹線の車内だけでなく、公共の場は「全面禁煙」が主流になりつつある。喫煙コーナーが施設から消滅する傾向にある。

世の中の流れが100%タバコ禁止になりつつある中で、新幹線の車内もその流れに乗らざるを得ないのが正直なところだろう。

仮に東北新幹線の車内に喫煙ルームがあったとすると、どうしても密室な車内となることで、受動喫煙や臭いに対するクレームが入ることが予想される。

そんなトラブルを避けるということも視野に入っているかもしれない。

東海道山陽新幹線には喫煙ルームがある理由

  • 東北新幹線:全面禁煙
  • 東海道新幹線:すべての列車に喫煙ルームまたは喫煙車有り
  • 山陽新幹線:700系「ひかりレールスター」以外は喫煙ルーム有り

東海道山陽新幹線と東北新幹線の最大の違いは運行する会社である。東海道はJR東海、山陽はJR西日本が管轄している。一方の東北新幹線はJR東日本である。

タバコに対する考え方の違いと思われる。JR東海・西日本は比較的タバコには寛容なのは確か。

JR東日本だけタバコに厳しい

喫煙ルーム有りの東海道新幹線

喫煙ルームが設置されているのはN700系や500系(JR西日本のみで運行)だが、喫煙ルームがない700系では代わりに「喫煙車」がある。

車両丸ごとタバコOKに設定されている座席が用意されている。JR東日本の新幹線や特急列車にはもうすでに喫煙車はない。

したがって、JR東日本は特に喫煙に対しては非常に厳しいことがわかる。

おすすめ記事