JR京浜東北線の朝ラッシュ時は利用者が殺到するためかなり混雑する。人と人が接触する区間もいくつか存在する。
都心へ向かい電車では特に激しく込み合い、積み残しが多少発生することは珍しい現象ではまったくない。他の路線にも同じことがいえるが、京浜東北線の混雑度も例外ではない。
しかし、ほかの路線よりも状態がマシな点がある。それは、混雑する区間の長さである。
京浜東北線は、東海道線・宇都宮線・高崎線(上野東京ライン)の緩行線の役割を果たしている。
長距離輸送は並行する快速線を走る上野東京ラインの電車が担っているため、京浜東北線を利用する人は短距離ユーザーの場合がほとんどだ。
つまり、ある程度停車駅を過ぎると一気に人が下りていく。例えば、横浜・川崎・品川・東京・上野・赤羽・浦和といった緩急接続がある駅に到着すると一気に人が入れ替わる。
始発駅である大宮駅から上野や東京駅までずっと混んでいるというわけではない。沿線に住んでいる人が京浜東北線の電車に乗っては大きい駅で降りて停車駅が少ない上野東京ラインの列車に乗り換えるという例が多いのが特徴といえる。
したがって、朝ラッシュであっても混雑が激しいのは一部の区間に限った話であり、路線全体で抱えるような大きな問題ではない。
本数も多い!
さらに、京浜東北線の場合は駅間距離が短く、優等列車も走っていなく、さらに他路線への直通運転なども行っていないため、電車の運行本数もかなり多い。
混み合う時間帯であれば、2~3分間隔で電車が駅のホームに入ってくるため、ホーム上に人であふれかえるという現象を目にするのも少ない。
10両編成と車両が多くつながれているのもまた、スムーズに人員を輸送できている要因となっている。朝のラッシュ時は輸送力がすべてといっても過言ではない。
ラッシュ時の混雑度が問題になっている路線のほとんどは輸送力の欠陥に原因がある。
京浜東北線は上野東京ラインとの役割分担や本数の多さから、少なくとも最低限の輸送力は足りているといえるだろう。