東北新幹線のやまびこ号となすの号の違いについて、それそれの混み具合や停車駅、乗車率、乗客の乗り降りする駅などの特徴ごとに比較してみた。
いずれも停車型の種別であり、すべての列車には「自由席」が設けられている。まず、この点ではやぶさ・はやてとは異なる。
やまびことなすのの大きさ違いは、停車駅と運転区間である。全車は仙台駅や盛岡駅まで乗り入れるが、後者は郡山駅が最北端になる。停車駅もやまびこは一部は通過するが、なすのは完全に各駅停車になる。
やまびこ・なすの、それぞれの違い
内容 | やまびこ | なすの |
停車駅 | 一部は小山・那須塩原・新白河・白石蔵王を通過 | 各駅停車 |
運転区間 | 東京~盛岡 | 東京~郡山 |
自由席の割合 | 一部は指定席も | 通勤ラッシュは普通車はすべて自由席 |
混み具合 | 土日は混雑 | 1日を通して空いている |
東北新幹線の中でも、やまびこ号もなすの号も停車型の種別であることには変わりない。
ただし、上の表のような感じで違うポイントも結構ある。種別の名前だけが異なるというわけでは決してない。
停車駅について
やまびこ号の停車駅は各列車で異なるのが現状である。均一に決まっているわけではない。各駅停車としての運転もあれば、通過駅のある優等列車として運転されることもある。
小山・那須塩原・新白河・白石蔵王の4駅は特にやまびこ号でも停車する場合と通過する場合がある。乗る前に時刻表を確認するのが欠かせない。
なすの号は例外なくすべて各駅停車となる。通過する駅は1つもない。
なすの号の最北端は郡山駅
やまびこ号の運転区間の最北端は盛岡駅である。はやて号が登場する前は終点だった盛岡駅まで走る列車も、日中の時間帯を中心に設定されている。
大部分の列車は仙台駅が終着駅となっている。そのため、やまびこ号は首都圏と仙台間の主要駅を乗り降りする人の手段としての役割が大きい。
なすの号は最北端は郡山駅である。運転区間が短いのが特徴である。朝夕になると那須塩原駅が終着駅となっている。
したがって、なすの号は首都圏の新幹線通勤の手段という性質が強い。近距離移動の人のための種別であり、東北地方まで行き来するという役割にはならない。
東北新幹線そのものは大都市間の鉄道網としての新幹線という性質があるものの、なすの号に限っては東京都心と郊外(北関東)を結ぶ列車といえる。
なすの号は朝の上り・夕方の下りは全車自由席
ところで、なすの号では朝の時間帯の上り列車、夕方以降の下り列車は普通車はすべて自由席となっている。
これは新幹線通勤の人をターゲットとしているためである。新幹線定期券で乗れるのは自由席のみになる。
各停かつ短い距離しか走らないなすの号は新幹線通勤の人のために朝夕は走っているため、全車自由席として指定席は設けていない。
運転区間そのものも東京~那須塩原にとどまっている。つまり、都心と栃木県内を結ぶ路線という性質が強く、JR宇都宮線の特急線と考えてよいだろう。
混雑の差を観察すると
東北新幹線の自由席および指定席の混雑状況を目で見てみると、やまびこ号となすの号には結構大きな差がみられる。
>>東北新幹線「やまびこ号」の自由席の混雑状況を時間帯ごとに調査!
>>東北新幹線「なすの」なら自由席で座れる!? 混雑状況はどう?
東京駅を発車する時点でも、やまびこ号は全体的に乗車率が高くて通路側の座席も埋まっていることが多い。
一方のなすの号では、窓側の座席にしか人が座っていない状態が多い。乗車率は50%を切ると思われる。
値段が安い自由席でさえ空席が多い。本当に短い距離しか東北新幹線に乗らない人だけがなすの号を使うこともあって、混雑状況はガラガラで空いている。
確実に座るならなすの号
もしやまびことなすののどちらに乗るのか迷っているのであれば、2つとも走っている区間であればなすの号を選ぶのが無難である。
具体的には、宇都宮駅や日中の郡山駅が該当する。特に東北新幹線では比較的乗降客数が多い宇都宮駅を乗り降りして東京方面と行き来するのであれば、なすの号を選ぶのが安全である。
>>宇都宮駅から新幹線の自由席に座れる確率、時間帯ごとの混雑を調査!
自由席であっても座れる可能性が大きい。上り列車では、特に宇都宮駅の時点ではやまびこ号は満席となっていることがよくある。
土日のように行楽客が多い日では、朝夕の上りの新幹線は満席になりやすい。手前の駅ですでに混雑がスタートしている。
より空いている可能性が大きいなすの号であれば、途中駅の宇都宮駅でも座れる可能性が非常に高い。