定期券の継続購入に関しては、期限前だと直通先の駅では不可能。最初に購入した駅と同じ鉄道会社の管轄下の駅でしか買えない。
2社以上の鉄道会社を挟む区間であっても、直通先の駅では継続購入ができない。
このように直通先の区間も合わさった定期券ことを「連絡定期券」というが、継続購入はどちらか一方に限定される。
目次
継続購入(期限前)は直通先の駅では不可
定期区間 | 最初に購入した駅 | 継続購入ができる駅 |
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津田沼~大手町 | 津田沼 | JR東日本の駅 |
大手町駅 | 東京メトロの駅 | |
春日部~霞ケ関 | 春日部 | 東武鉄道の駅 |
霞ケ関 | 東京メトロの駅 | |
北千住駅(途中の駅) | 東武鉄道の駅(東武鉄道の窓口・券売機で購入の場合) 東京メトロ(東京メトロの窓口・券売機で購入の場合) |
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※磁気きっぷタイプ、交通系ICカード(Suica定期券・PASMO定期券など)のいずれも同じ。 ※通勤定期券・通学定期券いずれも同じ。 |
この点は定期券の払い戻しと場所の条件は同じ。
定期券の期限前の継続購入ができるのは、最初に定期券を購入した鉄道会社の管轄下の駅の窓口または自動券売機に限られる。
これは通勤定期券・通学定期券のいずれも共通。
1つの鉄道事業者の区間しか乗らない場合はそもそも問題にはならないが、相互直通運転などで連絡定期券を持っている場合にこの問題が生じる。
上記の例だと2社以上の区間を挟む。継続購入ができる・できないは「どこの駅で購入したか」で違ってくる。
例1)津田沼~大手町の区間の場合
1つ目の例として、津田沼~大手町の区間の場合を取り上げる。
◎手持ちの定期券を購入した駅が津田沼駅の場合
- 継続購入が可能な駅=JR東日本管轄下の駅
- 継続購入が不可能な駅=東京メトロ管轄下の駅
津田沼駅はJR総武線の駅、つまりJR東日本が管轄する駅である。ここで購入した場合だと、継続購入ができるのはJR東日本の駅のみ。
定期区間内だと津田沼駅・東船橋駅・船橋駅・西船橋駅になる。東京メトロ東西線の区間の原木中山駅~大手町駅ではできない。
例2)春日部~霞ケ関の区間の場合
2つ目の例として、春日部~霞ケ関の区間の場合を取り上げる。
◎手持ちの定期券を購入した駅が春日部駅の場合
- 継続購入が可能な駅=JR東日本管轄下の駅
- 継続購入が不可能な駅=東京メトロ管轄下の駅
春日部駅は東武スカイツリーライン(伊勢崎線)の駅、つまり東武鉄道が管轄する駅である。ここで購入した場合だと、継続購入ができるのは東武鉄道の駅のみ。
定期区間内だと春日部駅~北千住駅になる。東京メトロ日比谷線・千代田線の区間の北千住駅~霞ケ関駅ではできない。
なお、北千住駅は東武と東京メトロの共同駅だが、もし春日部駅で購入した定期券を継続購入する場合は東武鉄道が担当する窓口または自動券売機を利用する必要がある。
北千住駅でも東京メトロが管理するところでは継続購入ができない。
期限切れの定期券の継続購入は不問
一方で期限切れとなった定期券(連絡定期券)の継続購入は、最初に購入した駅でも直通先の駅でも問題ない。
どちらでもOKではある。
上記の春日部~霞ケ関の定期券の例だと、期限切れ後は東武鉄道・東京メトロのどちらでも継続購入ができる。
ただし、その次に継続購入する場合で期限切れの前に更新しようとすると、ここで選択した鉄道会社の管轄下の駅でしかできなくなる。
前回は春日部駅で購入したが、今回の継続購入は霞ケ関駅で行った場合、次回の期限切れ前の更新は春日部駅ではできなくなる。
基本的には自宅のある最寄り駅の鉄道会社の駅にて購入することを推奨する。
理由-なぜ直通先では継続購入ができないのか?
なぜこのように2社以上の鉄道会社を挟む連絡定期券にて、直通先の鉄道会社の駅での期限切れ前の継続購入はできないのか。
その理由は契約上の事情がある。
連絡定期券とはいえ、仕組み上は支払先の鉄道会社との契約である。
定期券の有効期限までの交通手段の契約は代金を支払った先の鉄道会社と行っている。
直通先が別の鉄道会社は、あくまでも代金を支払った先の鉄道会社と直通先の鉄道会社の企業間の契約。定期券を持っている乗客が直接契約しているわけではない。
期限前の更新の段階では、まだ最初の期限までの契約が残っている状態。
最初に定期券を購入した鉄道会社との契約にて満期を迎えていないために、別の鉄道会社との契約ができない。
ここが仕組み上の簡単な理由といえる。
その他、定期券に関する各種のルール
主な項目 | 内容 |
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購入・発売 | 直通先での継続購入、区間変更、払い戻しの可否(JR) |
利用上の禁止事項 | 通勤定期券の「通勤」目的以外の購入・使用、通学定期券の「通学」目的以外の購入・使用、指定経路外の乗車、使い回し(本人以外の使用) |
運賃・料金 | 乗り越し精算の計算式、回数券との併用、1日の乗車回数の上限 |
上記の記事にて定期券に関する条件や注意点について解説。通常の乗車券や交通系ICカードによる利用の場合とは異なる点が多い。