定期券は区間内かつ有効期間内である限りは1日に何回乗ってもよい。2往復しても全く問題はなく、追加料金もかからない。
上限の回数はまったくなく、通勤定期券・通学定期券のどちらも共通。
券面上の区間であれば有効期限までは実質的に「乗り放題」と同じ状態である。
通勤定期券・通学定期券のどちらも乗車回数の上限なし
定期券の区分 | 上限回数の有無 | 補足 |
---|---|---|
通勤定期券 | 上限なし (※定期区間内かつ有効期間内に限る) |
「乗り放題」と考えてよい |
通学定期券 | ||
※定期区間外の場合:区間外の乗車した分だけ普通運賃を支払う形に。 ※有効期限後の場合:全区間乗車した分だけ普通運賃を支払う形に。 |
定期券は一般人が使用する「通勤定期券」と、学生が学校へ通学する際に使用する「通学定期券」の2つがある。
1日の乗車回数に上限がないのはどちらも同じ。
1日に1往復だけでなく、2往復、3往復しても定期区間内かつ有効期間内であれば特に問題はない。
具体的な根拠を上げると、JR東日本の旅客営業規則では次のように記載されている。
第147条(乗車券類の使用条件)
乗車券類は、その券面表示事項に従って1回に限り使用することができる。この場合、乗車人員が記載されていない乗車券類は、1券片をもって1人に限るものとする。ただし、定期乗車券については、その使用回数を制限しない。
東日本旅客鉄道(JR東日本)‐旅客営業規則より
「本日2度目の乗車のため使用不可」といったことは一切ない。
JR・私鉄・地下鉄のすべての鉄道事業者に加え、バス路線においてもこの点では同じ。
また、切符の種類も問わない。鉄道だと磁気きっぷタイプとSuicaやPASMOなどのICカードタイプがあるが、どちらも定期券の乗車回数の上限はない。
定期券の目的はそれぞれで異なる。
>>通勤定期券の「通勤」以外での購入・使用可否! 事例ごとに解説
>>通学定期券の「通学」以外での購入・使用可否! 事例ごとに解説
とはいえ、上限回数は特に決められていなく、あくまで購入時点の基準にとどまる。
往復回数、途中下車も関係ない
同一日に2往復、3往復しても問題ことに加え、定期区間内の中間駅にて途中下車しても問題ない。
途中下車とはいえ、あくまでも「定期区間内」ということで乗り放題の範囲内に入る。
定期区間の端から端までの途中駅をすべて降りて改札の外へ出ても追加料金や使用制限はかからない。
学生の場合だと、特に中学校や高校を中心に途中の駅では降りていけないといった教えを学校から言われることがあるが、これはあくまでも「寄り道禁止」といった学校の方針に過ぎない。
鉄道・バスの運行会社が定めているルールではない。
大半の人は1日1往復
もっとも、実際のところは1日に何往復もするような人は一部に限られる。
ほとんどの人は1日1往復にとどまる。
通勤定期券の利用者であれば、自宅と職場の移動手段として「行き」と「帰り」を乗るだけであり、2往復するようなことはレア事象。
通学定期券の利用者でも、自宅と学校を往復するだけ。こちらも1日に2往復することは珍しい事象。
寄り道として途中下車をする人は結構多いが、2往復するような人は何か忘れ物をしたなどの場合くらいに限られる。
禁止事項
ただし、定期券では以下の内容は禁止事項となっている。
- 指定経路以外のルートでの定期券の使用
- 所持者本人以外の人の使用(使い回し)
- 区間外の折り返し(無賃乗車と同等)
定期券で区間内の改札を通過すれば「定期利用」として処理されるのは確かだが、上記の内容は禁止されている不正乗車に該当する。
まず、定期券には指定経路がある。乗車駅・降車駅が同じでも複数ルートが物理的に選択できるところもあるが、定期券はあらかじめ乗車可能なルートが限られている。
券面上に記載されたルート以外で移動するのは、区間外の精算が必要。無申告で定期利用として乗るのはNG。
また、所持者本人以外の使用も禁止。「使い回し」のことを指すが、これは通勤定期券・通学定期券のどちらも禁止されている。
また、区間外に出て折り返し乗車するのも禁止。改札を出ていない場合でも、Uターンして戻ってくるのも不正乗車に該当。法律上はこの行為は無賃乗車に当たる。
定期区間内であれば何回往復しても問題はないが、区間外の範囲は要注意。
その他、定期券に関する各種のルール
主な項目 | 内容 |
---|---|
購入・発売 | 直通先での継続購入、区間変更、払い戻しの可否(JR) |
利用上の禁止事項 | 通勤定期券の「通勤」目的以外の購入・使用、通学定期券の「通学」目的以外の購入・使用、指定経路外の乗車、使い回し(本人以外の使用) |
運賃・料金 | 乗り越し精算の計算式、回数券との併用、1日の乗車回数の上限 |
上記の記事にて定期券に関する条件や注意点について解説。通常の乗車券や交通系ICカードによる利用の場合とは異なる点が多い。