京王井の頭線では現在のところ利用者数が多い主要駅にてホームドアの設置の計画がある。渋谷駅、下北沢駅、明大前駅、永福町駅などで優先的に整備される予定となっている。
今のところは全駅へのホームドアの設置計画が具体化されていない。しかし、将来的には実現する可能性がかなり大きい。路線距離も短く、車両のドアの位置がすべて同じ規格に統一されていることから、比較的早期に実現するのではないかと予想。
大きな駅には優先的に設置
渋谷駅と吉祥寺駅については、すでに京王井の頭線のホームでは設置が完了している。井の頭線内では最も乗降客数が多いターミナル駅ということもあって、早期に完成した形となった。
下北沢駅では、小田急の地下化と複々線化に伴う駅改良工事が終わり次第、ホームドアの設置が予定されている。今後は小田急線の複々線化事業が完了する見込みで、駅がまるごと刷新される。
今のところ、特に重要視されているのが、乗降客数が多い2つの乗り換え駅である。いずれも、特に朝のラッシュでは渋谷方面に向かう通勤客でホーム上が混雑する。
小田急と京王井の頭線の乗り換え駅ということで、1日を通して乗降客数が多い。そのため、駅構内の安全性の向上が課題となっている。ホームドアの整備はその改善策として期待されているようだ。
明大前駅については、京王線(本線)の連続立体交差事業が終わり次第ホームドアの整備が行われる。こちらも駅改良工事が行われている。井の頭線のホームドア設置はそれを待っている感じだ。
全駅ホームドアの完成はいつ?
ただし、現時点では17駅ある京王井の頭線のすべての駅にホームドアが設置される見込みは出ていない。完了するのは2020年代後半となると私は考えている。
国土交通省では1日の乗降客数が10万人以上の大きな駅へのホームドアの設置を優先するよう鉄道会社に通達しているが、京王電鉄はこれに沿った形で計画を発表している。
新宿から八王子方面へ向かう京王線においても、ホームドアの設置はあまり具体化されていない。本格的に導入が予定されているのは連続立体交差で駅構内が新しくなる駅と2013年に地下化された調布駅周辺のみにとどまっている。
この傾向は井の頭線でも続くと思われる。渋谷・下北沢・明大前・永福町・吉祥寺などはあくまでも大きな駅で路線内で特に重要な位置づけとなっている駅に過ぎない。小さな駅は今後しばらくの間は今までと同じ危険な状態が続く。
主要な駅へのホームドアの設置が終わるのは2021年頃である。これを終えてから小さな駅への整備が始まるだろう。そう考えると、2020年後半までは工事は終わらないという結論になる。