JRと私鉄の時刻表を比べてみると何か大きな違いを感じることがあるのではないだろうか。
私鉄の場合、電車の発車時刻は5分毎・10分毎というように間隔が均等になっている場合が多い。一方、JRの場合は不規則になっていてランダムな時刻表になっていることが多い。列車間の間隔が3分の時もあれば20分くらい空きがあるというような例が多く見受けられる。
首都圏の場合、山手線や京浜東北線などのような都市部を走る一部の電車は確かに私鉄と同じように均等なダイヤになっていることが多い。
しかし、東海道線や東北本線(宇都宮線)、高崎線、常磐線、総武快速線、京葉線などのように郊外に延びる路線では時刻表がランダムになっている。特にグリーン車が連結された路線ではこの傾向が極めて強い。
電車がランダムに来るということは、利用者が電車が発車する時間を把握するためには時刻表そのものを暗記するか、手元にあるスマートフォンで時刻表アプリを開いて検索するしかない。簡単な作業であるのが確かだが、少し不便を感じるのも事実である。
一方、私鉄各線の多くでは均等化が進んでいるため、時刻表に書かれてある時刻の下一桁だけ覚えればよい場合が多い。例えば、9:03、9:13、9:23というように10分間隔でのダイヤとなっていれば、その駅から乗車する乗客は下一桁の「3」だけを頭に入れておけばよい。
なぜJRはランダムなのか?
JRの場合、線路上を走るのはその区間を走る電車だけではない場合が多い。貨物列車から長距離の特急列車が走る路線が多く、普通の通勤型電車だけのための線路ではないという性質を持つ。
そのため、どうしても時刻表もそうした通勤型の電車以外の列車をも考慮しなければならなくなる。その結果、均等化できにくいというわけになってしまうのだ。
さらに、都心から遠く離れた郊外にも線路を伸ばすとなると、地方を走る乗り換え路線への乗り継ぎについても考慮せざるを得ない。地方に1時間に1本程度しか走っていない路線があれば、その電車へ乗り継げるようなダイヤを組まなければならない。
私鉄の場合、郊外に線路を伸ばしていたとしても終着駅が都心からそれほど遠くはないところな例が多い。そのため、乗り継ぎの利便性よりも発車時刻の均等化に力を入れられる。
私鉄とは違った性質をもっていることが、JRの時刻表が均等化されていなく電車がランダムに来る理由といえる。