横須賀線はなぜ本数が少ない!? 増発できない理由とは?

横須賀線の本数が少ないという苦情は結構多いようだ。朝ラッシュや夕方・夜の通勤通学の時間帯でも他の路線と比べて大幅に少ない。

増発してほしいという意見があるが、なぜこれが実現できないのか。

付近を走るJR東海道線、京浜東北線、東急目黒線・東横線などと比べても圧倒的に横須賀線の本数は少ない。

朝のピークではふつうは3,4分間隔で電車が行き来しているが、横須賀線は5~10分ほど間隔が空くことが多い。


武蔵小杉駅を基準に見てみると

上り列車の本数 横須賀線 湘南新宿ライン
7時台 9本 5本
8時台 8本 5本

横須賀線の中でも最も混雑する区間が武蔵小杉→西大井であるが、朝ラッシュの上り列車の本数は上のようになっている。

平日は7時台で9本、8時台で8本という運行本数になっている。東海道線の場合、7時台は13本、8時台は16本となっている。

横須賀線は東海道線の支線という形になっているものの、それにしてもかなり少ない。列車の間隔も不均等で長いと10分近く空くこともある。

横須賀線と湘南新宿ライン

湘南新宿ラインが1時間当たり5本走っているものの、向かう方向はまったく違う。横須賀線は品川駅・新橋駅を経由して東京駅方面へ向かう。湘南新宿ラインは渋谷駅や新宿駅の方向へ向かう。

東急東横線と同じ方面へ向かい、横須賀線とは大きく離れた地域へ向かうことがわかる。

横須賀線の混雑が年々激化していることを考えると、この本数では完全に輸送力不足となっている現状が理解できる。不便であるのは間違いない。

参照:JR横須賀線のひどい混雑、どこの区間で乗車率が高くなる?

横須賀線の朝ラッシュにおける混み具合についてはこの基準で解説する。

なぜ横須賀線だけ本数が少ないのか?

横須賀線の本数が少ない理由は運行系統にあるといっても過言ではない。東京駅からはそのまま総武快速線へ直通する。車両も同じものが使われている。

区間 路線名
久里浜~東京 横須賀線
東京~千葉 総武快速線
千葉~成田空港 総武本線・成田線
千葉~上総一ノ宮 外房線
千葉~君津 内房線

運行本数は総武快速線の方が多く、JR東日本としても横須賀線よりは総武快速線の運転の方に力を入れている。

車両の数にも限りがある。横須賀線の久里浜から総武線の千葉駅より先の総武本線・成田線、あるいは内房線・外房線までも乗り入れる。

長い距離を走ることから、横須賀線単体で増発するのは簡単ではない。

横須賀線と総武快速線

さらに、横浜~大船間では東海道線と並行する。横須賀線の電車を増便するとこの区間でも輸送力過剰になってしまう。

横須賀線内で混雑が激しくて輸送力不足に陥っているのは武蔵小杉~品川間くらいに限られる。

参照:【路線別】武蔵小杉駅の混雑のレベル! 朝と夕方のラッシュの実態を調査

  • 輸送力不足で問題なのは武蔵小杉→品川のみ
  • 車両の数が十分ではない
  • 東海道線などと並行する

こうした事情があるために横須賀線の本数が少ない状態に抑えられていると判断できる。

ただし、今後は横須賀線でも増発される可能性は十分にある。新型車両の投入などの設備投資が行われれば、本数が増える見込みが高まる。

おすすめ記事