JR大阪環状線の混雑状況について、朝ラッシュと夕方・夜の帰宅ラッシュではどれくらいの混み具合になるのか。時間帯ごとと区間別で調査した。
国土交通省が公表としている混雑率の統計では最大で110~120%で毎年推移している。決して高い数値ではないものの、満員電車になるのは確かな事実ではある。
時間帯ごとの混み具合
―(大阪駅にて調査)― | |||
朝の時間帯 | 混雑レベル | 夕方の時間帯 | 混雑レベル |
6:30-7:00 | 2 | 16:00-17:00 | 3 |
7:00-7:30 | 4 | 17:00-18:00 | 4 |
7:30-8:00 | 5 | 18:00-18:30 | 5 |
8:00-8:30 | 5 | 18:30-19:00 | 5 |
8:30-9:00 | 5 | 19:00-20:00 | 4 |
9:00-9:30 | 4 | 20:00-21:00 | 3 |
9:30-10:00 | 3 | 21:00-22:00 | 3 |
混雑の目安については以下になる。
5 | ★★★★★ | 電車のドア付近では圧迫感あり |
4 | ★★★★ | つり革がすべて埋まる |
3 | ★★★ | ドア付近だけ立っている人が多い |
2 | ★★ | 座れる人の方が多い |
1 | ★ | 確実に座れる |
朝ラッシュのピークは7時半~9時
大阪環状線の朝ラッシュのピークの時間帯は7:30~9:00までである。平日は7時台に入ると一気に混雑が激化する感じとなっている。
6時台はまだ早朝ということもあって空いている。とはいえ、それでもガラガラの状態とは程遠い。
8時台は全体を通して満員電車となっている。大阪~天王寺の東半分の区間は全区間を通して満員で車内空間にはまったく余裕がない。
大阪駅・京橋駅・鶴橋駅・天王寺駅ではまとまった乗客の入れ替えが起きる。降りていく人は多いが、乗ってくる人も多い。すでに手前から乗っていた乗客はここで座れるチャンスがやってくるだろう。
9時台に入るとようやく朝ラッシュが落ち着いてくる。しかし、それでもまだまだ通勤ラッシュの混み合った状態が残る。
本格的に空いてくるのは10時台に入ってからとなる。ただし、東半分の区間では終日に渡って一定のレベルの混雑にはなる。
夕方・夜の帰宅ラッシュは18時台がピーク
夕方と夜の帰宅ラッシュのピークは18~19時位までの時間帯になる。他の路線と比べると、大阪市内中心部を走るという性質から、帰宅ラッシュのピークは早めに迎える。
そのため、夕方の混雑も比較的早い時間帯から空いてくる。19時を過ぎると若干ではあるが車内空間に余裕が出てくる。
隣の人と体が接する可能性もかなり低くなる。18時台はちょっとでもバランスを崩すと他の人と接触してしまうレベルだが、19時以降はこのリスクも下がる。
20時以降になると結構空いてくる。座っている人と立っている人が同じくらいの人数になってくる。
ただし、阪和線や大和路線へ直通する快速電車はやや混雑が激しい。大阪市中心部から郊外へ向かう人が狙って乗車するため、乗車率は環状運転する普通電車よりも高い数値になる。
しかも座席のタイプが転換クロスシートになっているため、実際に乗車人数に対して体感的にはひどく混雑している。
区間別の混雑状況
西側 | 東側 | ||
区間 | 混雑度 | 区間 | 混雑度 |
大阪~福島 | ★★★★ | 大阪~京橋 | ★★★★★ |
福島~西九条 | ★★★ | 京橋~森ノ宮 | ★★★★ |
西九条~大正 | ★★ | 森ノ宮~鶴橋 | ★★★★★ |
大正~新今宮 | ★★★ | 鶴橋~天王寺 | ★★★★ |
新今宮~天王寺 | ★★★ |
大阪環状線の混雑は西側と東側で大きく違う。その境界となるのが大阪駅と天王寺駅である。
西半分は空いている
西半分の西九条側は比較的空いている。大阪市の中核となる地域がなく、他路線との大規模な乗り換え駅がほとんどないため、乗客数も少ない。
一番利用者数が多いのは大阪~福島間である。ユニバーサルスタジオジャパンへ向かう際に使う人も多いが、それでも通勤客よりは少ないため、結果的に空いている。
大阪環状線へ乗り入れる「関空・紀州路快速」や「大和路快速」が通過駅を設定しているのも西半分の区間である。いずれの快速電車も野田・芦原橋・今宮の3駅には停車しない。
東半分は混雑しやすい
一方の東半分は乗客数が多い。大阪~京橋が最も多いところである。京橋駅は京阪本線、学研都市線との乗り換え駅ということは乗降客数が多い。
鶴橋駅は近鉄奈良線・大阪線との乗り換え駅である。こちらも近鉄と大阪環状線を乗り継ぐ人々が多いことから、乗降客数が多い駅となっている。
天王寺駅は阪和線、大和路線に加え、近鉄南大阪線の大阪阿部野橋駅と接する。大規模な接続駅が多いのが大阪環状線の東半分の区間の特徴である。
朝と夕方の通勤ラッシュの時間帯でも混雑が激化するのは大阪~天王寺の部分なのは確か。