みどりの窓口とは、主にJRグループ各社が運営する乗車券類発売所(出札所)のうち、さらに発券や空席照会が可能なマルス端末が設置され、JR全線の乗車券類(乗車券・特急券・指定券など)やJRバス路線、高速バスの座席指定制路線の乗車券・指定券などを総合的に発券業務を行う発売所のこと。
普通の券売機や旅行会社の窓口とはまた別で、違いはいくつかある。
みどりの窓口は全体的に混雑する傾向があり、特に土日祝となると旅行客が増えるため長蛇の列ができやすい。一方で、近年は廃止される傾向も見られる。
みどりの窓口とは?
みどりの窓口とは、マルス端末のあるJR全社の鉄道線乗車券類を発行および販売する窓口のことを指す。つまり、JRグループすべての切符を購入できる窓口という意味だ。
マルス端末は「MARS=Multi Access seat Reservation System」のことを指す。JRグループ共通のコンピューターシステムで、座席指定券などの予約、切符を発行を行うシステムである。
完全な対人窓口をイメージすることが多いが、新幹線や在来線特急の自動券売機である「みどりの券売機」もこれに含まれる。
マルス端末は国鉄時代から導入されていたコンピューターシステムでもある。1987年の分割民営化でもJR各社で継続され、現在でもグループ共通のネットワークを続けている。
基本的にはすべてのみどりの窓口でクレジットカードによる支払いができる。
<参考元:購入できるきっぷについて(JR西日本-おでかけネット)>
取扱業務の一覧
みどりの窓口の主な取扱業務は以下が挙げられる。
取扱業務 | 詳細な内容 |
---|---|
鉄道乗車券類の発売・変更・払い戻し | 乗車券・特急券などすべてを取扱う |
航空券の発売・変更・払い戻し | 北海道のAirDOなど一部が対象 |
レンタカー券の発売・変更・払い戻し | レール&レンタカーきっぷなどが対象 |
旅館・ホテルの宿泊券の発売・変更・払い戻し | JR+ホテルのセット企画乗車券など |
JRバス乗車券 | JR高速バスの乗車券の発売も行っているが、対象は一部の路線に限られる |
旅行プラン商品の販売 | JR+ホテルのセットパックの販売など |
※JR東海は「JR全線きっぷ売り場」と表記。⇒なぜJR東海は「みどりの窓口」の名前を使わない!? 理由は3つ
大部分の人は一番上の「鉄道乗車券類」を購入するためにみどりの窓口を利用するだろう。
新幹線や在来線特急の特急券、定期券の購入のために有人窓口を利用する人がほとんど。それ以外の取扱業務に関連する目的で行く人はかなり少ない。
単なる乗車券だけ(近距離)、自由席特急券は自動券売機を利用する人が多数だが、長距離の旅行だとみどりの窓口が購入どころになりやすい。
高速バスについては、JRバスと提携便(コードシェア便のようなタイプ)の乗車券を販売しているものもあるが、取扱無しのものもかなり多い。
夜行・昼便問わず近年はインターネットを介したパソコン・スマホからの予約、Web乗車票の購入が主流になっていることがその理由に当たる。
鉄道の分野でも、自動券売機の普及と人手不足の背景から中小規模の駅を中心にみどりの窓口そのものを閉鎖する駅が増える傾向にある。
基本的には大規模な駅にしかみどりの窓口がないと考えてもよいくらいだろう。
みどりの窓口だけが対象になる取扱業務
なお、自動券売機では利用不可で、みどりの窓口でしか取扱いができないものもある。
- 株主優待券の利用
- 学割の適用(提携旅行会社も可)
- ICカードの解約、紛失手続き(管轄のJR旅客会社のみ)
- Japan Rail Passの取り扱い(提携旅行会社も可)
これらは基本的に自動券売機は取り扱い不可となっている。
JRの駅だと「みどりの窓口」が基本となっている。一部の提携旅行会社の窓口でも取り扱っているものもあるが、それでも例外事項がある。
100%みどりの窓口でなければならないのは、株主優待券の利用である。
JR東日本、JR東海、JR西日本の株主優待券を使うには、その会社の直営の窓口でしか対応していない。
JR以外の鉄道会社のみどりの窓口
JR以外の鉄道会社でも「みどりの窓口」が設置されているところがある。
具体的には以下がこれに該当する。
- IRいしかわ鉄道
- あいの風とやま鉄道
- えちごトキめき鉄道
- のと鉄道
- 京都丹後鉄道
- 土佐くろしお鉄道
ただし、取扱業務には制限がかかっているところが多い。
学割やジャパンレールパスなどは対応しているものの、障害者割引、大人の休日俱楽部などは取り扱い不可になっているところが目立つ。
通常の新幹線・在来線特急の座席指定券のような切符とその予約はこれらのJR以外のみどりの窓口でも取り扱っている。