東北新幹線へのE7系の導入は全く見込みがない。上越新幹線と北陸新幹線の2路線のみとなっている。はやぶさ・はやて・やまびこ・なすのとして運転される予定がない。
なぜこのように東京~新潟と東京~金沢のみとなっているのか。最大の理由は車両そのものの設計速度にある。
E7系が出せる最高速度は275km/hまでとなっている。東北新幹線は宇都宮以北は、はやぶさ号では320km/h運転を行うため、導入するメリットがないのが原因。
東北新幹線は320km/h運転を実施するから
車両 | 最高速度 | 概要 |
E7系(W7系含む) | 275km/h | 高速化より快適性を重視
E2系の後継車両 |
E2系 | 275km/h | はやて号登場時に投入
今では旧式の車両 |
E5系 | 320km/h | はやぶさ号登場時に投入
東北新幹線の主力車両 |
※東北新幹線は高速運転を重視 |
東北新幹線で設計最高速度が275km/hに抑えられているE7系を導入しない最大の理由は、高速運転ができないからと断定できる。
宇都宮~盛岡間では最高速度が320km/hに設定されている。しかし、E7系はそこまで飛ばせるほどの設計にはなっていない。
一方の投入されている、または今後投入予定の上越新幹線・北陸新幹線の路線の最高速度は遅い。
- 上越新幹線:240km/h(大宮~新潟)
- 北陸新幹線:260km/h(高崎~金沢)
>>上越新幹線の区間/列車ごとの最高速度を調査! なぜ遅い?
>>【北陸新幹線】なぜ遅いのか!? 最高速度が260km/hに留まる理由
このように、スピードは260km/h以下に設定されている。東北新幹線とは大きく事情が異なる。
E2系をベースにして北陸新幹線と上越新幹線への投入を初めから前提として作られたため、275km/hまで出せれば十分といえるものの、300km/h出せる東北新幹線では性能不足となってしまう。
はやぶさ・こまち以外は275km/hまでしか出さないが
東北新幹線でもはやぶさ号とこまち号以外の種別では基本的に最高速度が275km/hに設定されているのも確か。
宇都宮~盛岡で320km/h運転を通常ダイヤで実施しているのは速達性が重視されているはやぶさ・こまちだけにとどまっている。
やまびこ・つばさ・なすのはいずれも275km/hが最高速度となっている。E5系やE6系での運転であれば、遅延が生じている場合は300km/h以上を出すこともある。しかし、それは例外に過ぎない。
実際、東北新幹線で使われているのは320km/hには対応していないE2系やE3系も数多く走っている。
>>【新幹線】やまびこ・なすの号の最高速度とは!? 275km/hが限度!
なるべくE5系に統一したい東北新幹線
しかし、E7系までも導入してしまうとより車両の種類が多くなってしまってはやぶさ号とそれ以外との使用編成をより区別しなければならなくなる。
ほとんどの車両をE5系のような高速運転ができるものに統一して、いつでも320km/h運転ができるようにしたいのが本音だと考えられる。
やまびこ号などでも、275km/hが最高速度となるとそれよりも飛ばすはやぶさ号のダイヤのボトルネックになってしまうこともある。
遅れが生じていると、列車の間隔が詰まってしまい、速度差によって後続の列車までもが低速走行する種別に合わせなければならなくなる。
こうした事情から、東北新幹線では320km/h運転に対応している車両に統一したく、E7系の導入がされない理由と判断する。