北海道新幹線はいらない!? 「無駄」な公共事業の5つの根拠

北海道新幹線の不要論

北海道新幹線はいらないという意見があるが、確かにこのような不要論は否定できない。無駄な公共事業であるという根拠は5つある。

すでに開業済みの新青森~新函館北斗、さらには札幌延伸区間になる新函館北斗~札幌間も事業が廃止になる可能性はゼロである。

とはいえ、将来的に黒字化される見通しはない。永久的に赤字が続く公算が大きいのも確か。無駄な鉄道路線といっても決して過言というわけではない。




不要と思う5つの理由

理由 詳細
利用者数が少ない 仙台以北はそもそも採算性が悪い
航空機との激しい競争 4時間の壁クリアでも拮抗
運賃が高い 東京~函館でさえ2万2690円
難しいスピードアップ 整備新幹線、青函トンネル内の問題
新千歳空港のアクセスの良さ 新千歳空港~札幌市内のアクセスが良好

赤字経営が続くJR北海道の「救世主」になるのではないかと期待されている北海道新幹線だが、九州新幹線や北陸新幹線などのようにはうまくいかないとも懸念されている。

その理由が上の5つではいないか。東京~札幌のアクセス手段としていくつかの懸念材料がある。

参考:JR北海道はなぜ赤字!? 黒字化は永久に難しい理由

利用者数が少ない

東北新幹線でさえ利用者数が多くて採算性が良いのは東京~仙台間に限られる。仙台から北側の区間を単独で見ると、利用者数は少ない。

もし仮に仙台~新青森が別の新幹線だとしたら、こちらは確実に赤字路線となる。沿線の地域の人口そのものが少ないことに加えて、都市間移動の総数も少ない。

高い建設費がかかる新幹線には割に合わないのは否定できない。札幌や函館についても、北海道~首都圏を移動する人の総数そのものは少ないわけではない。

ただし、東京~仙台とは違ってJRと航空機でシェアを分け合う形になるのは確か。全員が新幹線を使うわけではないため、利用者数が伸びるとは期待できない。

>>【北海道新幹線】やはり赤字だった!? 採算が取れない理由とは?

航空機との激しい競争

新幹線と航空機の競合

所要時間の面で優勢になるのは航空機になる。「4時間の壁」をクリアしても飛行機が有利になる。

片道4時間40分かかる東京~福岡でもシェアの90%は航空機となっていて、JR利用者はわずか10%程度にとどまる。

3時間50分である東京~広島でさえJRのシェアは60%程度にとどまっている。「4時間の壁」を完全にクリアしている広島でさえ、東京を発着する場合では航空機が一定のシェアを確保している。

全員が新幹線に流れるというわけではないことが、ここからはわかる。




運賃が高い

しかも、東京~広島の19,080円(のぞみ号・指定席利用の場合)というのは距離で見れば全国のほかの新幹線よりも安い。

新しく新幹線を建設するということは、東京~札幌の運賃は相当高い値段になることが予想される。

航空機の方が割安になると見込まれている。JRと航空機で首都圏と北海道の移動手段が激しい競争になるというよりも、JRが劣勢になる可能性がかなり大きい。

新幹線の特急券の値段が全国的にみても、北海道新幹線は特に距離に対して値段が高い。これが札幌延伸時でも変わらなければ、既存の航空機が優勢になるのは目に見えている。

難しいスピードアップ

東北新幹線および北海道新幹線はともにスピードアップが難しい。JR東日本では東北新幹線の区間に限って最高速度を今の320km/hから360km/hへ高速化されることを計画している。

新型車両を投入したり、騒音防止の設備を新たに取り入れるなどして大宮~盛岡をスピードアップさせようとしている。

しかし、それでも東京~札幌の所要時間の短縮化を図るのは難しい。低速運転となる区間がいくつも存在するからである。

>>はやぶさ号の区間ごとの最高速度を調査! スピードを詳細に分析

<東北・北海道新幹線の区間別最高速度>
区間 最高速度
東京~大宮 110km/h(2020年からは130km/h)
大宮~宇都宮 275km/h
宇都宮~仙台 320km/h
仙台~盛岡
盛岡~新青森 260km/h
新青森~奥津軽いまべつ
奥津軽いまべつ~木古内 160km/h(2019年3月まで140km/h)
木古内~新函館北斗 260km/h

盛岡以北は「整備新幹線」と呼ばれる区間になり、法令で最高速度は260km/hと決められている。JR東日本あるいはJR北海道が独断で最高速度を引き上げることができない。

>>東北新幹線、なぜ盛岡以北では260km/hまでの運転と遅いのか!?

さらに、青函トンネル内の制限速度である。ここは貨物列車と線路を共有するところであるため、新幹線でも160km/hしか出せない(2019年3月から)。

そして、東京~大宮間の区間である。この区間も110km/h(2020年からは130km/h)に抑えられている。同じく所要時間の短縮化の妨げとなっている。

>>東北新幹線の東京~大宮間はどうして遅い!? 最高速度は110km/h!

新千歳空港のアクセスの良さ

東京~広島は新幹線が航空機よりもシェアの割合が大きいが、これには1つ大きな理由がある。市街地から空港へのアクセスの悪さである。

市街地~空港 交通手段 所要時間
広島 バス(鉄道なし) 60分(不確実)
札幌 電車・バス 35分(エアポート快速)
函館 バス(鉄道なし) 20分

広島空港と市内中心部との距離は約55kmあり、交通手段は道路のみである。

広島空港と市街地を結ぶ鉄道路線がないのが、新幹線のシェアが大きい理由ともなっている。「4時間の壁」だけの問題ではないことは明らか。

エアポート快速

札幌駅~新千歳空港を結ぶエアポート快速(JR函館本線・千歳線)

札幌の場合、新千歳空港のアクセスはかなり良い。新千歳空港と札幌市内中心部までの距離は約45km、JR千歳線・函館本線の「エアポート快速」で所要時間は35分ほどである。

広島の場合と比べて大幅に空港へのアクセスが良い。新幹線ができても、東京との行き来は新幹線よりも飛行機になると予想できる大きな根拠である。

函館についても事情はほとんど同じである。しかも、函館市の場合は新函館北斗駅と従来の函館駅は別の場所である。

新函館北斗駅と市街地との所要時間は電車で20分ほどかかる。この点でも航空機が優勢になる要因であろう。

まとめ~4時間の壁を切っても

4時間の壁

東京~札幌、あるいは東京~函館の移動手段が航空機が優勢の状態が維持できる環境である限り、北海道新幹線はいらないものであり続けるだろう。

不要論には上のような5つの根拠がある。新幹線は全線にわたって緩やかなカーブかつ緩やかな勾配で作るという厳しい条件がある。

1つの路線を作りにも膨大なコストがかかり、その分利用者数の多さが見込まれていなければならない。

北海道エリアは空の航空が発達しているため、本州の新幹線の事情とは大きく異なる。空港のアクセスの良さもあって、「4時間の壁」をクリアできてもJRが有利になる構図は考えにくい。

無駄な公共事業としての悪い例の1つに北海道新幹線が列挙される日もそう遠くないかもしれない。

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