北海道新幹線に自由席がない理由! 全車指定席の3つの背景とは!?

自由席がない北海道新幹線

北海道新幹線には自由席がまったくない。はやぶさ号、はやて号の2つの種別が運転されているものの、いずれも「全車指定席」となっている。その理由に関して考察する。

いずれも東北新幹線からの直通列車で構成されているが、JR東日本が管轄する東京~新青森間のみならず、JR北海道の管轄エリアの新青森~新函館北斗間も全席指定である。

自由席が完全にゼロのため、「自由席特急券」で乗車できる座席がない。ゆえに、利用者にとっては負担額が割高になっている。


北海道新幹線も自由席無しの理由

<全車指定席の背景>
主な理由 詳細な内容
長距離輸送がメイン はやぶさ号・はやて号はいずれも東北新幹線を含めて速達型、指定席を選ぶ人が多い長距離輸送が中心。
採算性が良い 指定席特急券は自由席特急券よりも割高なため、JR北海道によって採算の都合が良い。自由席を設定するよりも儲かる。
JR東日本の意向 東京~仙台でやまびこ号と利用者層を分けたいJR東日本の意向がある。自由席を設けるとはやぶさ号に乗客が殺到するため、混雑緩和のために全車指定席にしている。

北海道新幹線にて自由席の設定がない理由は、これら3点ではないか。

JR北海道が管轄する北海道新幹線だけの区間は暫定開業として新青森~新函館北斗間の区間と短いものの、運転系統は東北新幹線を含めた東京~新函館北斗間となっている。

したがって、JR東日本の影響下に置かれている。

参照:新幹線の路線ごとの「全車指定席」を導入の有無! それらの背景も

長距離輸送がメイン

東北・北海道新幹線を通しで運転される種別ははやぶさ号のみである。新青森~新函館北斗間でははやて号の運転もある。しかし、大多数の列車は「はやぶさ」である。

東京~新函館北斗間の所要時間の最速は4時間2分(2019年時点)である。距離も862.5kmもある。完全に長距離輸送という形になる。

長距離を新幹線で移動する人の多くは、自由席よりも着席保障がある指定席を好む。

座席を指定する手間がいらない自由席を希望するのは近距離を移動する人たちに限られてる。値段の話は別として、乗車時間が長いと100%座れることを求める。

北海道新幹線を含めたはやぶさ号が全車指定席を採用している理由の1つであるのは間違いない。

採算性が良い

指定席特急券は自由席特急券よりも値段そのものが割高となっている。

乗客にとっては負担する料金が高い分デメリットになる一方、鉄道事業者にとっては収益高が増えるためメリットとなって都合が良い。

新青森以北はJR北海道の区間だが、国鉄の民営化以来ずっと赤字の経営状態に陥っている。

少しでも収益を増やすことが課題となっている中、北海道新幹線を全車指定席にすることで旅客収入を多くできている。

もし自由席の設定を行うと、特急料金も「自由席特急券」の料金分しか入ってこない。指定席特急券よりも割安なため、1人当たりの旅客収入が減ってしまう。

はやぶさ号が走る東北新幹線の区間に関しても、採算性が良いという面では同じである。

>>JR北海道はなぜ赤字!? 黒字化は永久に難しい理由

JR東日本の意向

東京発~仙台駅までの混雑状況

<JR東日本の意向>

  • 東京~仙台・盛岡はやまびこ号にも乗客を分散させたい
  • はやぶさ号は高速運転する付加的なサービスという位置づけにしたい

北海道新幹線で運転されているはやぶさ号はもともとJR東日本の東北新幹線にて320km/h運転を実施する速達型種別の名称として使われてきた。

もともと八戸駅が終点だった時代の最速ははやて号だった。この時はまだ最高速度が275km/hだった。

新青森駅開業の際に、それよりもさらに高速運転を実施する種別としてはやぶさ号が誕生した。

はやぶさ号・はやて号のもう1つの特徴は大宮~仙台はノンストップというところが挙げられる。

同じく仙台以南を走る種別としてやまびこ号がある。こちらには自由席が必ず付いている。

東京~仙台・盛岡間を移動する人ははやぶさ・はやてとやまびこのいずれかを選択できる状態が続いてきた。

ここで速達型のはやぶさ・はやてで自由席を設定すると、東京~仙台・盛岡間を行き来する人がこれらに殺到してしまう一方、やまびこで空席が目立つという混雑差が生じる。

混雑差を防ぐために、JR東日本はあえてはやぶさ・はやての2種別を自由席無しの「全車指定席」にしてきた。

北海道新幹線はそんな大宮~仙台はノンストップのはやぶさ・はやての延長線上を走るという性質から、開業当初からJR東日本のこのような意向があった。

東北新幹線内の事情も北海道新幹線で自由席なない背景の1つに挙げられる。

参照:新幹線のはやぶさ・はやてに自由席がない、その理由とは!?

特定特急券=自由席

ただし、自由席と同じ料金で乗れる列車がないかというとそうではない。

北海道新幹線の全線と東北新幹線の盛岡以北では「特定特急券」という制度が存在する。

この区間は「全車指定席」の列車しか運転されていないため、普通に考えると絶対に指定席を取ることが求められるような感じになっている。

しかし、これだと指定席を取る手間が追加でかかってしまうこと、運賃そのものが大幅に高くなってしまうことから、全車指定席列車しか走っていない区間の利用に限って発売する「特定特急券」が設けられている。

特定特急券は自由席特急券と同じ料金体系になっている。普通車指定席の料金よりも520円安い。

この切符で乗車する人は普通車指定席の空席に座ることができる。誰も座っていなければ、どこでも着席可能。

自由席特急券は普通車指定席に空席があっても座ることが禁止されているが、特定特急券は空席に座ってOKなところが違う。

札幌延伸でも自由席はなし?

札幌延伸で期待される自由席

北海道新幹線の札幌延伸が開業すると、新青森~札幌間の区間運転を行う各駅停車型の種別が登場すると考えられる。

今のはやぶさ号は東京~札幌の速達型の種別になるため、新八雲駅・長万部駅・倶知安駅・新小樽駅にも停車する種別が新たに登場するだろう。

各駅停車型の種別は近距離移動が中心のため、自由席の需要が大きい。指定席の取り扱うにも手間がかかることから、自由席が設定される可能性はある。

在来線特急を見ても、JR北海道の管轄エリアでは自由席がある。函館~札幌を結ぶ既存の「スーパー北斗」でも自由席がある。

北海道新幹線が開業する前に青森~函館間で運転されていた「スーパー白鳥」でも自由席の設定があった。

このような背景を見れば、北海道新幹線が札幌駅へ延伸されたら自由席が復活する、もしくは「特定特急券」が継続されると予想する。

他の路線の全車指定席と自由席の事情

新幹線の路線 種別
東北・秋田・山形新幹線 はやぶさこまちやまびこ・つばさ・なすの
上越新幹線 とき・たにがわ
北陸新幹線 かがやき・はくたか・あさま・つるぎ
東海道・山陽・九州新幹線 のぞみ・ひかり・こだま・みずほ・さくら


広告

おすすめ記事