JR東海の電化路線で最も古い通勤型車両といえば211系である。その旧式の電車の引退はいつ頃になるのか。新型車両へ置き換えられて廃車になるのはそう遠い未来ではないだろう。
2018年現在において、211系は東海道本線の静岡地区(熱海~豊橋)、中央本線、関西本線で運転されている。
東海道本線の名古屋地区においては、すでに313系と311系に置き換わっているため、211系は引退済となっている。
関西本線では大部分が313系に切り替わったことで、211系による運転はごく一部にまで減っている。東海道本線の静岡県区間と中央本線が残る路線といえるだろう。
2025年頃までには引退になるか?
JR東海の各路線から211系が完全に引退して廃車になる時期としては、2025年頃になるのではないかと予想する。
2025年とは、211系が初めてデビューしてから40周年を迎える年である。通勤型電車の鉄道車両の寿命は概ね30年前後といわれているが、走行距離があまり長くはない路線だと40年くらいは持つ。
ただ、東海道本線も中央線も一度に走る距離は長い。最高速度も、どちらでも110km/hとなっているため、車両への負荷が少ないわけでは決してない。
老朽化が進めば、メンテナンスの度に何か不具合が出てくることが多くなる。ランニングコストがかかるため、新型車両への置き換えの方が合理的となる。
次の新型車両が登場したら真っ先に置き換え
211系がすぐに新しい車両へ置き換えられるかというと、そうとは言えない。どの路線でも、今のところは313系と一体的に運転されているため、早期に撤退させる理由は特にない。
速度や加速性能の面では、313系と同じ設定となっている。少しずつ進行している老朽化や消費電力以外の面では、走行に支障があるわけでもない。
313系の増備計画や完全に新しい形式の車両が登場した際には、真っ先に起きらけられる対象とはなるだろう。現役で走っている車両の中では211系が一番古いからだ。
次に投入される新型車両が313系の派生型の車両になるのか、それとも315系のような別の形式になるのかはまだ決まっていない。
ただ、211系が完全に新しい電車に起きらえられて引退を迎えるのは遠い将来ではないはずだ。2025年頃が1つの節目となると考えている。
JR東日本は首都圏から完全撤退
ところで、東京とその周辺の首都圏の各路線を管轄しているJR東日本ではすでに211系が定期運行から完全に撤退している。
山梨・長野地区と群馬県・栃木県を走る両毛線だけで211系が運転されている。ほとんどは高尾~塩尻間の中央東線と篠ノ井線での運転となっている。
かつては、東海道本線や東北本線(宇都宮線)、高崎線でも使われていた。しかし、新しいE231系やE233系に置き換わったため、2013年には首都圏から引退した。
こうした経緯を考えると、JR東海でも今後211系の引退と置き換えが進むと予想される。