北大阪急行と地下鉄御堂筋線の違いとは何か。2つの路線はいずれも同じ路線のような性質を持っている。相互直通運転を行っていて、別々の会社というイメージは薄い。
しかしそれでも鉄道事業者は完全に分かれている。御堂筋線は大阪メトロ(旧市営地下鉄)が運転している。法律上も地下鉄という部類に入る。一方の北大阪急行は私鉄で地上を走る鉄道という枠組みに入る。
北大阪急行vs御堂筋線
北大阪急行 | 地下鉄御堂筋線 | |
鉄道事業者 | 北大阪急行電鉄 | 大阪メトロ(Osaka Metro) |
区間 | 江坂~千里中央 | なかもず~江坂 |
鉄道区分 | 私鉄 | 地下鉄 |
北大阪急行と地下鉄御堂筋線の違いといえば鉄道会社くらいといっても過言ではない。
しかし、このように会社が違うことでいろいろと乗客にとっては不都合なことがある。まず第一に挙げられるのが運賃の問題である。
2社を通すと運賃が割高に
御堂筋線と北大阪急行を通しで乗ったとしても、料金の計算方法はそれぞれ別々で行われる。「北大阪急行の運賃+大阪メトロの運賃」という形になる。
例えば、千里中央→新大阪間を乗った場合、北大阪急行の区間に当たる千里中央→江坂の140円と大阪メトロの区間になる江坂→新大阪の180円を合算した料金320円を支払うこととなる。
2つの別々の鉄道会社に料金を支払うこととなるため、乗客にとっては割高な負担となるのは避けられない。
そもそもなぜ別会社?
そもそもなぜ大阪メトロ御堂筋線と北大阪急行電鉄でわざわざ別路線にしているのか。1度でも通しで乗ったことがある人なら疑問に感じたことかもしれない。
理由は、線路が通る市町村にある。これが2者に分社している唯一の理由といっても過言ではない。
北大阪急行 | 地下鉄御堂筋線 | |
通過する市町村 | 吹田市
豊中市 箕面市 |
大阪市 |
地下鉄御堂筋線は基本的に大阪市のみを走る。御堂筋線だけでなく、他の大阪メトロ各線は市内だけを網羅している。
今は大阪メトロ(Osaka Metro)となったものの、かつては大阪市営地下鉄だった。運営主体が大阪市交通局だったことで、市外は他の自治体ということで鉄道を通せなかった。
吹田市や豊中市に大阪市が運営する公企業が手を出すのはさまざまな制約があるため、やむを得ず大阪市外のエリアを別の民間会社に任せるしかなかった。
類似例
似たような事例は御堂筋線と北大阪急行の組み合わせ以外にもある。
- 地下鉄堺筋線と阪急千里線
- 地下鉄中央線と近鉄けいはんな線
これらの路線も私鉄側が地下鉄の延長部分となっていて、列車の運行体系は一体化している。ほぼすべての電車が相互直通運転を行っている。
しかし、運行会社が別々となっていることから、運賃は別々で計算され、通しで乗っても合算した運賃を支払うこととなる。
大阪メトロの前身の大阪市営地下鉄が市外に手を出せなかったのが理由だ。