JRの在来線特急の車内における無料Wi-Fiの設置状況を路線別で調査してみた。列車ごとの無線LANサービスの有無をまとめ、早見表は以下の通りになった。
新幹線では広く普及しているものの、在来線特急列車ではまだそれほど多くはない。大半の路線では未搭載となっている。
列車内のWi-Fiは訪日外国人向けのサービスという性質が大きいことから、特に観光客が多く利用する特急でWi-Fiが導入されている。
無料Wi-Fiが導入されているJR特急の一覧
<無料Wi-Fiサービスがある在来線特急> | |||
特急の名称 | 車両 | 路線名 | SSID |
あずさ・かいじ | E353系 | 中央本線 | JR-EAST FREE Wi-Fi |
成田エクスプレス | E259系 | 総武本線 | |
ひだ | キハ85系 | 高山本線 | JR-Central_FREE |
南紀 | キハ85系 | 紀勢本線他 | |
はるか | 281系 | 阪和線 | JR-WEST_FREE_Wi-Fi |
しおかぜ・いしづち | 8000系、8600系 | 瀬戸大橋線他 | JR-SHIKOKU_Train_Wi-Fi |
上がJRの特急の車内における無料Wi-Fiが設置されている列車の早見表である。JR各社のいずれでもあまり広くは利用されていない。
空港へアクセスする列車、観光地への交通手段の性質が大きい路線に限って無料Wi-Fiが設置されている。
ビジネス客や通勤客が利用するようなところでは未設置がほとんどなのがわかる。
なお、今回のWi-Fiでは通信会社と契約していることが求められるサービスは除外している。
常磐線の特急ひたち・ときわなどではドコモ、au、ソフトバンクのWi-Fiは使えるが、メールアドレスを登録するだけで使えるものではない。このような例は対象外とする。
>>【早見表】全国の路線ごとの新幹線の無料Wi-Fiの有無!
JR東日本
JR東日本の管轄エリアの特急列車で無料Wi-Fiが付いているのは次になる。
- あずさ号・かいじ号
- 成田エクスプレス
あずさ号・かいじ号はいずれも東京駅や新宿駅を発着している中央本線の特急である。
東京駅と成田空港を結ぶ成田エクスプレスでも同じく無料Wi-Fiが設置されている。こちらは訪日外国人が多いことから、早い時期から導入されている。
いずれでもSSIDは「JR-EAST FREE Wi-Fi」である。メールアドレスを登録すれば誰でもインターネットに接続できる。
JR東海
JR東海では、東海道新幹線ではすでに無料Wi-Fiが設置されているものの、在来線特急はやはり少ない。
- ひだ
- 南紀
ディーゼル特急であるキハ85系で運転されるひだ号(高山本線)、南紀号(関西本線・伊勢鉄道・紀勢本線)の2種類でしか導入されていない。
SSIDは「JR-Central_FREE」である。同じくメールアドレスを登録すれば誰でもインターネットに接続できる。
将来的にはしなの号やしらさぎ号でも導入されるものと考えられる。
JR西日本
JR西日本の在来線特急は今のところはるか号のみである。
はるか号は京都駅、新大阪駅、天王寺駅などから関西空港と行き来する列車である。JR東日本で言うと成田エクスプレスのような役割を果たしている。
同じく訪日外国人向けという性質が特に大きい。SIMカードを持たない人が多く乗る特徴から、無料で使えるWi-Fiが設置されている。
SSIDは「JR-WEST_FREE_Wi-Fi」となっている。駅構内あるいは北陸新幹線の車内で使われているJR西日本のWi-Fiと同じものだ。
JR四国
JR四国では本四備讃線(瀬戸大橋線)、予讃線などを走るしおかぜ号・いしづち号において、8000系及び8600系の列車内に無料のWi-Fiが設置されている。
訪日外国人が格段に多いというわけではないものの、本州と四国地方を結ぶ路線で四国の中でも代表的な特急ということでWi-Fiが搭載されている。
SSIDは「JR-SHIKOKU_Train_Wi-Fi」である。JR西日本エリアである岡山~児島の区間においてもこのJR四国が提供するWi-Fiが使える。
JR四国は全体的に赤字路線が多い。しかし、本四備讃線(瀬戸大橋線)だけに限れば黒字である。利用者数が多いことも無料Wi-Fiの投入に踏み切った理由と考えられる。
トンネル内はWi-Fi利用不可
在来線特急の場合は、トンネル内ではWi-Fiでもインターネットに接続ができない事例が多い。山間部が多い中央本線、高山本線、本四備讃線では特にトンネルが連続するところがある。
このような箇所では携帯電話は電波が弱くなって圏外になる。車内Wi-Fiでも同じように通信ができなくなる。
在来線特急は携帯電話の電波を拾って乗客にWi-Fiとしてインターネットに接続を可能にしている。トンネル内では電波を拾えず、外部との通信を可能にする設備も整っていない。
どうしても列車の運行本数が少ない地域を走るケースが多いため、トンネル内でも携帯電話の電波を飛ばすワイヤーが設置されていなく、その結果Wi-Fiが使えなくなる。