JR武蔵野線は強風に弱い路線として知られている。台風のみならず、ちょっとした悪天候となるとすぐに運転見合わせになってしまうことが多い。他の路線では徐行運転程度でも、武蔵野線では完全に電車の運行がストップすることがよく見かける。
同じく強風に弱り路線といえばJR京葉線である。しかし、こちらは東京湾岸の海岸沿いを走るということで、いかにも風が強そうなイメージがある。
東京ディズニーリゾートへのアクセス手段としてのイメージを持っている人も多いだろうが、強風となると運転見合わせになることが多い。
ただ、武蔵野線の場合は京葉線とは違って内陸部を走る。海がない埼玉県内でも強風で電車がストップすることもよくある。なぜ武蔵野線だけが風の影響を受けてしまうのか。
高架部を走るため
JR武蔵野線の場合、ほとんどの区間が高架上となっている。一部の区間では地下を走るものの、それ以外はすべて橋の上に線路が通っている。京葉線との共用区間だけでなく、西船橋以西でも同じように高架橋の区間が多い。
他の路線とは違って、武蔵野線には踏切が一か所も存在しない。逆にいえば、平面を走る区間がまったくといっていいほど存在しないというわけだ。
一般交通と接しないということで、人身事故はあまり起こらないというメリットがある。その一方で、高架上は風の影響を受けやすい。周辺に風を遮断してくれる障害物が存在しないためだ。
また、荒川を渡る鉄橋も強風を受けやすいポイントとなっている。ここは強風の影響を真っ先に受ける場所として有名だが、ここでの風速計で基準を超えて電車が運転見合わせになるケースが多い。
京葉線への乗り入れも影響
一方、武蔵野線のほぼすべての電車は京葉線へ乗り入れている。西船橋駅からは南船橋駅または東京駅方面へ向かう。沿岸部を走る京葉線で運転見合わせになると、武蔵野線までもストップしてしまう。
海からの風においてもまた影響を受けてしまうのが武蔵野線ならではの特徴となっている。
最近では、京葉線では防風柵を設置したことによって以前よりは強風に強くなったようだ。ちょっとした風では運転見合わせになるほどダイヤが乱れる頻度が少なくなったのは確か。
しかし、それでも他の路線と比べると強風が原因で運転見合わせになることは多い。武蔵野線と接続するJR及び私鉄各線が何も問題なく動いていたとしても、武蔵野線だけは異常が生じているということがよくあるのには変わりない。