南海電鉄のきっぷの各種の変更および払い戻しのルールと条件について詳細を一覧化。
乗車券、特急券、回数券、企画乗車券は未使用かつ有効期間内のみ可能。定期券はその日の日付によって異なる。
払い戻しには所定の手数料がかかる。ただし、買い間違いの場合で直後の申し出なら無料で変更(一旦払い戻し)ができる。
払い戻しの条件と手数料
きっぷの種類 | 手数料 | 条件 |
---|---|---|
乗車券 | 160円(南海線のみ) 220円(他社局連絡乗車券) |
未使用かつ有効期間内 |
特急券 | 発売額の30%(2日前まで) 発売額の50%(2日前~当日出発時刻前) |
特急料金・日付によって変動 |
ネット特急券 | 160円(出発時刻3分前まで) | 指定列車発車時刻の3分前まで取り扱い |
回数券(回数乗車券) | 220円 | 有効期間内で未使用分。 |
定期券 | 220円 | 有効期限まで残り1か月以上の場合のみ |
企画乗車券 | 220円 | 未使用かつ有効期間内 |
※「変更」の場合でも一旦払い戻しの形になる。(手数料発生) ※有効期間内またはそれが開始される前のみ可能。期限後は不可能。 ※特急券は1回に限り指定列車の「変更」が可能。この場合は手数料なし。 |
南海電鉄の各種きっぷでの払い戻しは上記の通りになる。
受付している場所は駅改札口の有人窓口。ネット特急券はパソコンやスマートフォンから行える。
なお、未使用とは原則として改札入場前のことを指す。入場後は使用開始後に該当する。
また、手数料なしで「変更」ができるのは特急券を購入した場合のみ。
乗車券
乗車券の払い戻し手数料は、南海線内のみは160円、JRとの連絡乗車券だと220円。
基本的には購入した駅のみ払い戻しの取り扱いがある。
条件は未使用かつ有効期間内であること。
一旦電車に乗車するともう払い戻しの手続きを行うことができない。
途中下車もできないため、返金を受ける手段が消滅。
基本的に改札入場後は使用開始後という考え方のため払い戻し不可。
ただし、改札入場後でも実際に電車に乗っていない場合、つまり乗車券購入駅と同一駅であれば駅係員に申し出れば払い戻しを受けられる可能性はある。
特に乗車区間の設定を間違えてしまった場合は取り扱ってもらえることが多い。
「乗り放題」などの企画乗車券に関しても、払い戻しの条件と手数料は普通乗車券と同じ。
特急券
特急券の払い戻し手数料は南海電鉄では乗車区間や払い戻し実施日によって大きく異なる。
2日前までは発売額の30%、前日から当日の出発時刻までは発売額の50%。
条件は指定列車の出発時刻前であることだが、2日前と前日以降では値段が大きく違う。
乗車券とセットで手続きする場合は乗車券・特急券それぞれの分の払い戻し手数料が発生する。
乗車日当日でも前日でも、あるいはそれ以前でも手数料は変動しない。
また、乗車列車の変更も1回に限って手続きが行える。特急券窓口にて出発時刻前であれば、区間・時間・特急の種類を変えられる。
変更後の運賃が安くなる場合は差額分が返金される。高くなる場合は差額分を支払うこととなる。
ネット特急券
ネット特急券(特急チケットレスサービス)は通常のきっぷの特急券よりは払い戻し手数料が安い。
1枚につき160円。乗車券と同じ金額。
払い戻しができるのは指定列車の出発時刻の3分前まで。
払い戻しの手続きはパソコンやスマートフォンで行える。窓口に行く必要はない。
回数券
回数券(回数乗車券)の払い戻し手数料は220円。南海電鉄も他の私鉄とこの点では同じ。
払い戻しの計算式は以下の通り。
回数乗車券の計算式
回数乗車券発売額-(使用済枚数×普通運賃)-手数料220円 = 払い戻し手数料
※使用済分は普通乗車券の料金にて乗車として計算。(回数割引は考慮されない)
使用済みの回数乗車券は回数券ならではの割引が効いた料金ではなく、普通運賃で乗車したものとしてカウントされる。
条件は未使用分かつ有効期間内であること。
不要になった券片(未使用の残り枚数分)を払い戻しすることができる。11回分の回数券にて2回分使用した場合、残りの9回分のきっぷを払い戻しすることができる。
同じく基本的に改札入場後は使用開始後という考え方のため払い戻し不可。
定期券
定期券の払い戻し手数料も220円。
南海線内のみでも、JR線・大阪メトロなどとの連絡定期券のいずれも同額。
ただし、払い戻しの可否は有効期間の開始前と後、残り月数によって異なる。
有効期限までの残り期間 | 払い戻し手数料 | 注意点の詳細 |
---|---|---|
有効期間の開始日の前日まで | 220円 | 発売額-220円=返金される金額 |
有効期間の開始日以降(残り1か月以上) | 220円 | 発売額-使用済月数分の定期運賃-220円 |
有効期間の開始日以降(残り1か月未満) | ー | 払い戻し不可 |
※「使用済月数分」の1か月未満の日数は1か月とカウントされる |
払い戻しができるのは、有効期限までの残り日数が1か月以上ある場合のみ。他の鉄道事業者とこの点では共通。
有効期間開始前の払い戻しの計算式
定期券の発売額-220円=払い戻し金額
有効期間が開始した後の払い戻しはやや複雑。手数料そのものは同じく220円だが、返金される運賃分が異なる。
未使用という扱いになるため、手数料分以外は全額返金される。
定期券を購入したものの、有効期間がスタートする前に払い戻しする場合は、手数料を220円支払うのみで払い戻しを受けられる。
一方の有効期間開始後の払い戻しは計算が複雑かつ利用者によって不都合なものになる。
有効期間スタート後の払い戻しの計算式
定期券の発売額-使用済みの月数の定期券料金-220円=払い戻し金額
※1か月未満分でも1か月として計算
有効期間開始後の定期券では、発売額からすでに使用済みの月数分(1カ月に満たない日は1カ月とみなされる)の定期運賃の金額は返金される。
例えば、4月1日から9月30日まで有効の6カ月定期券を8月20日に払い戻す場合の計算式は次。
6カ月定期運賃-(3カ月定期運賃+1カ月定期運賃×2)-220円 = 払い戻し金額
日付変更について
南海電鉄においても他の関西地区の私鉄各社と同じく、乗車日の日付の変更に関しては、基本的には購入した当日のみしか使えない。
駅の券売機で購入しようとする場合、翌日の乗車券を購入するということができない。
事前購入できるのは定期券と乗り放題券の一部に限られる。
もしこの乗車日=購入日当日のみというルールを知らずに買ってしまった場合で、購入した直後であれば駅係員に申し出れば手数料なしで払い戻しができる。
一方で、これを知らずに翌日になってから使おうとするともう使えない。きっぷそのものが無効になってしまうため、払い戻しもできない。
ただし、特急券とセットで購入する場合は事前購入が可能。
指定列車も1回に限っては変更ができるため、乗車券と特急券とセットで購入したなら同時に日付の変更ができる。
「変更」の取り扱いがないのは乗車券単品で購入した場合のみ。
乗車区間の変更について
乗車券のみの場合、区間の変更も一旦払い戻ししてから再度新規で購入する形になる。
ただし、区間変更の場合はほとんど買い間違いによるもの。購入直後にこれに気づけば手数料なしで無料で払い戻しを実施してくれる。
改札入場後でも、電車に乗車する前で購入した駅と同じ駅の係員に申し出れば、払い戻しを取り扱ってもらえ、再度乗車券を購入することができる可能性が高い。
一方で乗車後では遅い。この場合、乗り越し以外だと過剰に購入した区間分の料金だ無駄になってしまう。