佐川急便では時間指定がされていても配達員がその通りに来ないことがしばしばある。守らないことが少なくない中、どうしてこれが無視されてしまうのか。遅れる原因は何かと不思議に思う人が結構いる。
荷物を待っている荷受人にとっては、やはり送り状の時間指定の欄に書かれた通りに届けて欲しいところではあろう。
特に多いのが、午前指定をかけていても荷物が来るのが午後になってからというケースである。
佐川急便の公式サイトで追跡を行ってみると、朝の時点ではすでに持出し中となっているのに、正午を過ぎてもまだ来ないことがある。
ヤマトは必着できるのに佐川は無理?
佐川急便と比較されるのがヤマト運輸である。「クロネコヤマトの宅急便」という愛称でよく知られていて、時間指定を絶対に守る傾向が見られるとして評判が良い。
必着でなければならない荷物があれば、ヤマト運輸を使うという法人や個人は多い。通常便は佐川、速達はヤマトという使い分けも多く見られる。
なぜ、ヤマト運輸では時間指定が守れるのに佐川は守れないのか。そんな疑問を感じるかもしれない。
佐川急便は営業所の数が少ない。それに伴って集配運転手が1人で担当するエリアもかなり広い。荷物の量が多ければ、配達にかかる時間も長くなる。
一方のヤマト運輸は営業所がかなり多い。セールスドライバー1人当たりが担当するエリアはかなり狭い範囲に限られる。
人口密集地ではさらにパート社員も動員して配達を行っている。これにより、時間指定に遅れる可能性が大幅に減っている。
佐川急便とヤマト運輸で時間指定の質に違いがあるのは、営業所の数と配達員の人員が理由と考えてよい。
参照:佐川急便の配達が遅い!? ヤマトより輸送状況が悪い理由とは?
最近は時間指定に来るようになっている?
かつて、佐川急便といえば時間指定には間に合わないことが多い会社だった。最近はそんなケースが少なくなっているようだ。
以前と比べると、時間指定の通りに荷物が届く確率が大幅にアップしている。午前中を希望すれば、正午までには届けられることがほとんどだ。
その理由が運賃の値上げである。ヤマト運輸でも最近値上げが相次いているが、佐川急便でも同様に料金を引ぎあげている。
人手不足で遅延が相次いでいたが、これを機に人材の確保に力を入れている。
さらに、貨物量も以前より減っている。値上げの影響から、運送する個数が少なくなりつつある。これにより、配達に余裕が少なからず出てきた。
配達量が減ればその分時間指定の通りに荷物が配達される可能性が上がる。値上げが理由となり、佐川急便でも必着ができるようになっているのは間違いないだろう。
遅配する確率とは?
ところで、佐川急便にて本当に時間指定に遅れる確率はどれくらいになるのか。
遅れる確率 | 時期 | |
繁忙期 | 10-20%程度 | 3月・7月・12月 |
通常期 | 5%程度 | それ以外 |
結論を言うと、実際に配達が遅れる確率はそれほど高くはない。通常期であれば、5%またはそれ未満になるだろう。
取り扱い貨物量が多くなる3月、7月、12月のような繁忙期であっても、遅れる可能性としては1割台に留まると考えられる。
「佐川急便=時間指定を守らない」というイメージを持つ人は少なくないものの、遅れやすさというのはヤマト運輸と比較した場合の話に過ぎない。
日本郵便のゆうパックなどと比べるとほとんど差はなく、遅配率は同じ水準と判断してよい。ヤマト運輸だけ極端に遅れにくいという構図になっている。
なお、時間指定なしの荷物はここでは考慮していない。こちらは、「概ねいつ配達してもOK」というニュアンスが大きくなる。
所要日数が変わることが1、2日程度あっても、それ以上は遅れることはない。ただし、ヤマト運輸のように時間指定なしでも最短日の配達という高いレベルまでには残念ながらいかない。
この点では、佐川急便の配達は遅いという印象になってしまうかもしれない。
参照:佐川急便では時間指定なしだとはいつ届く? 何時頃が多いか!