神戸電鉄の運賃が高い理由として、他社にはない特徴的な要因が3つある。阪急・阪神・山陽・JRなどと比べても料金が割高になっているのは否定できない。利用者からも不満の声が少なくない。
神戸電鉄には有馬線と粟生線、三田線の3つの主要路線がある。神戸市内の中心部のターミナル駅は新開地駅で、神戸高速鉄道線へ乗り入れる阪急神戸線・阪神本線・山陽電鉄線と接続する。
阪急と阪神は阪急阪神東宝グループという1つの持ち株会社の傘下に入っているが、神戸電鉄もまたこのグループの一員となっている。
しかし、運賃に関しては比べ物にはならないほど高い料金に設定されている。
険しい山岳地帯を通るため
神戸電鉄は有馬線と粟生線の両方とも険しい山岳地形を通る。平坦な地形担っている区間はほとんどない。
六甲山の山間部を走るということで、線路の維持費が高くなっている。トンネルのメンテナンスや排水コストに加え、急勾配を登るためには多くの電力を消費する。
鉄道という点では同じでも、他の鉄道会社と比べてランニングコストが高くついている。これが、神戸電鉄の運賃が高い理由の1つとなっている。
車両が急勾配仕様
神戸電鉄は急勾配が連続するということで、車両も特殊なものが使われている。
山間部を走るため、普通の出力だとスムーズに坂を登れない。そこで、神戸電鉄ではモーターの出力が大きい車両を導入している。
起動加速度も3.0km/h/sに設定されている。これは、関西では高い方に入る。モーターが付いている電動車の比率も高く、走るパワーを高くしていることがわかる。
特殊な仕様にすることで、その分導入費用もかなり高い。そして、この車両本体価格の高さも運賃に反映されている。
神戸高速鉄道が別料金
新開地~湊川感は神戸電鉄の電車が走っていることには変わりないが、ここは神戸高速鉄道線になっている。
線路を管理している鉄道会社が別ということで、運賃も別料金となっている。神戸電鉄の電車が他社である神戸高速鉄道線の中に乗り入れているという形だ。
つまり、新開地~湊川は神戸電鉄ではないというわけだ。しかし、同じ電車がそのまま走り続け、他社線との接続駅も新開地駅となっている。
湊川駅で降りずに新開地駅で降りるという人が多い。しかし、運賃の計算は別々に行われ、支払う金額は神戸電鉄+神戸高速鉄道線(新開地→湊川は130円)の分を合算した料金となる。
これが、神戸電鉄の運賃が高いという判断になる理由なのは間違いない。