JR横浜線ではすべてE233系という新型車両で運転されているが、加速が遅いと感じたことはないか。一昔前までは205系という国鉄時代に製造された電車が使われていたが、2014年にはすべて運用から引退した。
E233系といえば、上野東京ライン、京浜東北線、中央線快速、埼京線、京葉線、南武線などで使われている車両である。首都圏のJR線における主力車両の1つという地位を獲得してる。
横浜線には、2014年の春からE233系が運転されるようになった。他の路線と比べると、新型車両が投入されるのは遅く、後発組となった。しかし、同年の夏にはそれまでの205系が完全に消滅した。
新型車両になってから、乗車定員が増え、朝ラッシュの混雑が少しは緩和されたようだ。しかし、加速が遅いという感じがする。最高速度も以前と変わらない。所要時間はまったく変わっていない。
なぜ起動加速度が2.1km/h/sなのか?
加速が遅いという感覚は正しい。横浜線を走るE233系の起動加速度は2.1km/h/sに設定されている。これは、他の路線で使われているE233系よりも低い値になっている。
中央線快速では、起動加速度は3.0km/h/s。京浜東北線や京葉線、埼京線、南武線では2.5km/h/s。近郊型仕様となっているE233系3000番台でも2.3km/h/sに設定されている。
これらと比べると、横浜線の2.1km/h/sという加速度はかなり抑えられていることが理解できるだろう。
遅めになっている理由は、以前走っていた205系とダイヤを合わせるためだと考えられる。旧式の車両である205系でも加速度は2.0km/h/s程度で、やはり遅かった。
ここで、新型車両だけを高加速度にしてしまうと、次の駅に早着して性能が高すぎてしまうようだ。結局は停車時間が長くなるだけで、電力を消費するというデメリットにつながるため、あえて加速度を低くしたのだろう。
最高速度も95km/hと低いのはなぜ?
横浜線の最高速度は国鉄時代からずっと95km/hに設定されている。このスピードは、国鉄だった頃は標準的な速さであった。
100km/hを超える最高速度を誇っていたのは、東海道本線などの広域路線に限られていた。横浜線は当時はまったく遅いという印象はなかった。
しかし、JR化されると各線では最高速度が引き上げられた。首都圏でも中央線では95km/h→100km/hに引き上げられた。
しかし、横浜線は車両がそのまま同じものが使われ続けられたため、95km/hに留まった。それが今日まで続いている。
E233系に切り替わった今、最高速度を引き上げるべきだという意見は存在する。しかし、それに見合った効果があるかどうかはわからない。
横浜線は駅間距離が短く、快速の運転も少ないことから、最高速度を上げてもメリットは薄い。大幅な所要時間の短縮化も見込めない。
そんな事情から、E233系が投入された時代でもずっと最高速度が95km/hの状態は続くと思われる。