JR横浜線や南武線の車両ではすべての列車でトイレが全く付いていない。理由としては、近距離電車かつ運行本数が多い都市型の路線であることが挙げられる。御手洗の設備の費用対効果が低い。
JR東日本の首都圏エリアにおいて、在来線普通列車でも車内トイレの設備があるのは中距離電車である。例えば、神奈川県内は東海道線・横須賀線、それ以外だと宇都宮線・高崎線、常磐線(上野東京ライン、湘南新宿ラインを含む)、総武快速線などである。
一方の横浜線と南武線と同じ分類に入る近距離電車は、かつて「国電」と呼ばれた路線である。具体的には山手線・埼京線・中央総武緩行線・京葉線・武蔵野線などと同じ。
横浜線にトイレがない理由
横浜線にトイレがない具体的な理由としては、以下のようにまとまる。
トイレ無しの理由 | 詳細な内容 |
近距離電車だから | 横浜線の東神奈川~八王子の距離は43km。乗車区間が短い近距離電車に該当。中距離電車には該当しない。 |
運行本数が多いから | 横浜線は日中でも毎時6~9本高頻度運転を実施。かつての「国電」路線、トイレのために一旦下車しても支障が少ない。 |
費用対効果が合わない | トイレの維持管理には多額の費用がかかる。費用対効果が合わないのも要因の1つ。 |
横浜線の営業キロ数は約43km(東神奈川~八王子)である。これは完全に「近距離」という分類に入る。
トイレが付いている路線の中距離電車は片道100km以上走るところがほとんどだ。横浜線はこれにはまったく当てはまらない。
運行本数も多い分類に入る。日中の時間帯でも1時間当たり6~9本は運転されている。
乗車中にどうしてもトイレに行きたい人は途中駅で下車して駅構内の御手洗に行くしかないが、それでも大きな支障が出るわけではない。
本数が多いということで、下車しても次の電車がすぐにやってくる。運転間隔が空くような本数の少なさではない。
>>JR横浜線の「快速」の本数はなぜ少ない? しかも朝夕はゼロ
南武線にトイレがない理由
南武線にトイレがない具体的な理由としては、以下のようにまとまるが、基本的には横浜線と同じである。
トイレ無しの理由 | 詳細な内容 |
近距離電車だから | 南武線の川崎~立川の距離は36km。乗車区間が短い近距離電車に該当。中距離電車には該当しない。 |
運行本数が多いから | 南武線は日中でも毎時8本という高頻度運転を実施。国鉄時代の「国電」路線でトイレのために一旦下車しても支障が少ない。 |
費用対効果が合わない | トイレの維持管理には多額の費用がかかる。費用対効果が合わないのも要因の1つ。 |
南武線の営業キロ数は約36km(川崎~立川)である。同じように完全に「近距離」という分類に入る。
トイレが付いている中距離電車のように片道100km以上走ることはない。すべての電車が他の路線へ乗り入れるわけでもない。横浜線よりもさらに短い。
日中の時間帯でも1時間当たり6~9本は運転されている。運行本数が多い基準を十分に満たしている。
どうしてもトイレに行きたいなら途中駅で下車して駅構内の御手洗に行くが、南武線もまた次の電車まで待つことが支障をきたすものではない。
快速こそは30分間隔でしか走っていないものの、各駅停車との時間差が大きいわけではない。
車内トイレ無しでも問題なく、あえて設置する合理的な理由が見当たらない。
>>【JR南武線】快速の本数が少ない! なぜ30分に1本だけなのか?