私鉄にはJRのような「グリーン車」がないが、それはなぜだ?

グリーン車といえばJRの列車に連結されている特別車であるが、私鉄各社にはない。どうして追加料金を払って快適に座れる車両が民鉄には存在しないのか。そんな疑問を持ったことがある人は多いだろう。




首都圏をカバーするJR東日本においては、在来線の普通電車(中距離列車)にもグリーン車が連結されている。4号車と5号車がそれに該当し、2階建てとなっている。乗車券+グリーン券で乗車できるようになっている。

特急列車にもグリーン車が連結されている。通常の自由席・指定席よりも座席がゆったりとしているのが特徴であり、より贅沢なクラスを味わえるのが特徴だ。

私鉄は普通車のみがほとんど

一方の私鉄各社となると、通勤電車はすべて進行方向に対して横向きに座る「ロングシート」になっている。車両のすべてがこのような一般的なタイプとなっていて、ゆっかりとした空間は存在しない。

私鉄のグリーン車

指定席のある列車があるとすれば、それは有料特急であるケースがほとんどだ。私鉄の特急列車となると、全車両指定席となっているケースが多い。東武や西武、京成、近鉄などがこれに当てはまる。

グリーン車のような車両がある事例もあることにはあるが、一部の車両のみが特別という形式を採っている鉄道会社は私鉄では名鉄と南海の特急「サザン」くらい。

こうしたケースが少ない理由としては、私鉄はそもそも始発駅から終点までの距離があまり長くない点が挙げられる。JRの中距離電車となると、100km程度走行することがあるが、私鉄の場合は20~40km程度が限度である。これより長いとすれば、他社との相互直通運転によるものである。

また、線路がある地域は住宅地が開発されたところである例がほとんどであり、こうしたところでは高い輸送力を求めている。グリーン車のような特別車を提供するよりも、1人でも多くの乗客を一度に輸送することの方が優先される傾向にある。



有料座席指定列車が話題に

S-TRAIN

一方で、1編成まるごと座席定員制にする列車を導入する鉄道会社は近年増えている。例えば、東武東上線のTJライナー、西武池袋線のS-TRAIN、京急のウィング号がその例となっている。

いずれも乗車するには整理券が必要であり、それを事前に購入すれば無条件で座席に座れる。「絶対に座れる」電車として近年需要が高まっているのがその導入の背景になっているわけだが、社内の空間はまるでJRのグリーン車のようなものだ。

さらに、JR東日本の在来線普通列車のグリーン車はすべて自由席であるのに対して、私鉄の有料座席指定列車はどれも指定席制である。JRの場合はグリーン券を買っても満席のために座れない可能性が存在するが、私鉄では切符を買えば必ず座れる。

こうした有料座席指定列車は今後も増える見通しだ。一度は利用してみる価値はかなりあるといえる。

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