JR東日本の中央線快速にもグリーン車が導入されることが決定されたというニュースが話題になった。これまでも、首都圏郊外に伸びる路線にはグリーン車が連結されてきた。
総武線快速、横須賀線、東海道線、宇都宮線、高崎線、常磐線快速、(上野東京ライン・湘南新宿ライン)にはすべての普通列車にグリーン車が連結されている。
しかし、中央線快速だけにはこれまでグリーン車は導入されてこなかった。これは、中央線は駅間が短くて停車駅が他の近郊路線と比較して多いことや、それに伴って中央線沿いの通勤圏が短いことで短距離ユーザーが多い点が理由に挙げられる。
また、中央線快速の混雑度が高い上、1編成10両しかない点からグリーン車を導入する余裕がないことも理由に挙げられるだろう。
しかし、中央線沿線にも「座って電車に乗りたい」、「追加料金を払っても快適さを重視したい」というニーズはある。そんな要望に応えるために、このようなグリーン車導入の契約が発表されたといえる。
グリーン車は贅沢?
中央線の場合、快速電車の多くは終着駅が高尾駅である。始発駅の東京から高尾まではそれほど距離は長くない。この点から、グリーン車を利用した場合でもそれほど長くは乗らない人が多くなる。
短距離なのにグリーン車に乗ることに対して贅沢感を感じてしまう人も中に入るだろう。ただ、コストの安さを重視するのであれば、普通車に乗ればいいだけである。グリーン車はあくまでも、快適に座りたいと考える人向けの車両といえるだろう。
「贅沢であっても進行方向に向いて座りたい」、「普通列車であっても特急のように座りたい」と考えている人にこそおすすめなのがこの2階建ての車両なのである。
12両編成になる!
また、中央線の場合は従来の10両に2両を追加する形(合計12両)になる。これまでの導入事例では、10両もしくは15両のうちの2両を普通車からグリーン車に切り替えるという方式を採ってきた。
このため、今までは普通車として利用できた部分がグリーン車となってしまうので、普通車のみのユーザーにとっては乗れる車両の数が減ってしまっていたのだ。
しかし、中央線快速の場合はこれまでの車両に付け加える形なので、普通車の車両数はこれまでと同じ(10両)である。これにより、一部の乗客がグリーン車に移ると考えると、相対的に普通車の混雑度は下がることも考えられる。
首都圏の中でも利用者が多いということで混雑する路線であるが、12両編成になることで依然と比べて車内空間に余裕が出るのではないかと私は考える。
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