JR京葉線はよく遅延する路線であるのは事実だが、その理由は他の路線とはかなり異なる。運転見合わせの原因として頻繁にあるのが強風である。東京湾から吹き寄せる潮風に耐えきれないために電車が止まってしまうわけだ。
東京ディズニーリゾートへ行く際の交通手段として一番ポピュラーなのがJR京葉線だ。しかし、風が強い日にはダイヤが大幅に乱れてしまうケースが多い。アトラクションが止まってしまうほどの強風となると、電車もストップしている可能性が高いと考えてよい。
なぜ強風で大規模な遅延となるのか?
京葉線の場合、湾岸地区を走っていることが強風の影響を受ける理由であるのは、一度乗ったことがある人なら理解できるだろう。しかし、どうして風が強いだけで高架橋の上を走る電車が運転見合わせとまでなってしまうのか。
通常の高架区間であれば、台風並みの強風でもない限りは運転を継続することは可能である。1両あたり20~40トンもある列車が横転する確率はかなり低い。
問題は鉄橋である。河川を渡る鉄橋は線路の下がむき出しになっている。橋の下からの風が線路に向かって吹き、重量が重い列車を持ち上げるほどの力を持つことも時にはある。
京葉線では荒川や江戸川といった大きな川を渡る橋があるが、いずれも強風が吹き寄せる名所となっている。防風柵が設置されたことにより以前よりは風に強くなったのは事実であるものの、それでも完全には危険性を防げない。
強風が続けば、京葉線を走る列車はすべて運転を見合わせることとなる。運転再開となるのは風が収まって運行に支障がないと判断されたときとなる。したがって、一旦電車がストップするとなかなか動き出さないのが現状であるといえる。
そして、強風の日はそう短時間では収まらないのが大規模なダイヤの乱れや遅延へとつながる理由なのだ。
春先と台風シーズンは要注意!
強風が吹き寄せる時期としては春先と台風接近時である。特に2・3月は「春一番」と呼ばれるような強い南風が吹き寄せる時期であり、こうなると京葉線の運行がストップすることとなる。
この時期は首都圏の広いエリアで強風による鉄道網の遅延が生じやすくなるが、その中でも京葉線は重症になる。湾岸エリアを走るのが原因でより電車の到着が遅れるのみならず、まったく動かない状態となる。
夕方になると強風が収まって運転再開となるケースが多いが、通勤客を多く輸送しなければならないため、日中続いていたダイヤの乱れによる問題は残ってしまう。
また、台風のシーズンについてもダイヤの乱れの原因となる。台風接近によって真っ先に影響を受ける路線もまたJR京葉線である。
東京駅や新木場駅から千葉方面へ行くための重要なアクセス手段であるとはいえ、どうしても強風にだけは弱いのは否定できない。そして、この状況は今後も続き改善の目途は残念ながらまったく立っていない。