JR東海では「上野東京ライン」という言葉は使わないのが基本となっている。東海道線でも熱海~沼津間では東京駅へ乗り入れる電車が直通している。
使われる車両はJR東日本所属のE231系やE233系で、いずれにも自動放送が付いている。録音のもののためこちらでは上野東京ラインと案内される。
一方の車掌による案内では「東京経由」として案内している。あくまでも東海道線上りとしてしか言わず、JR東日本の直通サービスの名称は避けている。
JR東海は反抗している?
上野東京ラインという言葉を使っているのは運行会社であるJR東日本くらいに限られる。湘南新宿ラインについても同じである。
東海道線と宇都宮線・高崎線・常磐線がそれぞれ乗り入れる電車をまとめたことを上野東京ラインと呼んでいる。
熱海駅はJR東日本とJR東海の境界となっている駅だが、一部の電車はそれを超えて互いに乗り入れを行っている。JR東日本の区間まで直通する電車は東京駅、さらには宇都宮線・高崎線内まで走る。
これによりJR東日本区間では完全に上野東京ラインとして案内している。
ところが、JR東海の管轄内に当たる熱海駅以西では上野東京ラインという言葉は車掌や駅構内案内ではまったく使われていない。
まるでJR東日本に対して反抗しているようなイメージを抱いている人は少なくないだろう。
E231系、E233系は全区間で上野東京ラインと案内
対象 | JR東海 | JR東日本 |
上野駅乗り入れ列車 | 東海道線、東京経由 | 上野東京ライン |
東京~熱海間 | 東海道線 | 東海道線 |
上野~黒磯間 | 東北本線 | 宇都宮線 |
東京駅を乗り入れする東海道線の電車はE231系かE233系が使われている。基本的に車内アナウンスは自動放送で行われる。
行き先の案内では、「この電車は上野東京ライン、○○線直通、△△行です。」とアナウンスされる。
これは、車両の所属先がJR東日本のためである。
一方でJR東海に所属する車掌のアナウンスでは「東海道線上り列車、東京経由、△△行です。」といわれる。
あえてJR東海では上野東京ラインという愛称を使うことを避け、正式名称である東海道線という案内に固執していると感じる。
JR東海は愛称路線名を使わない!
東海道線が正式名称となっている一方で愛称路線名が採用されているところは、上野東京ラインと湘南新宿ラインだけではない。
近畿地区ではJR西日本が管轄するエリアは琵琶湖線・京都線・神戸線という名称が使われている。
JR西日本とJR東海の境界駅は米原駅である。米原~京都間は琵琶湖線という愛称が一般的になっている。
しかし、JR東海の車掌による乗り換え案内のアナウンスでは「東海道線、下り」という言葉が使われ、琵琶湖線と放送されることはほとんどない。
もちろん、嵯峨野線(山陰本線)、大和路線(関西本線)、きのくに線(紀勢本線)、宝塚線(福知山線)についても同じである。
さらに、JR東日本に話を戻すと宇都宮線という路線名も使われない。こちらは「東北本線」と案内される。