電車内での飲食のマナーについて、事例ごとのOK・NGを一覧にする。
在来線の快速や普通列車では、あまり食べたり飲んだりしている人がいない。そのため、「車内での飲食は禁止」と考えている人も少なくない。
JR・私鉄のいずれも鉄道事業者によって扱いはやや違っているものの、問題ない場合もある。
電車の種類ごとのOK/NG
列車の種類 | 飲食の可否 | 理由 |
---|---|---|
普通列車(近距離電車) | × | 原則NG。近距離利用という性質から良くない。 |
普通列車(中距離電車) | △ | 転換クロスシート、ボックスシートは容認。ロングシートは空いていればOKだが、混雑時はNG。 |
新幹線・特急 | 〇 | 長距離列車で完全にOK。 |
グリーン車、特別車、ライナー | 〇 | 座席指定の定員制のため完全にOK。 |
※「快速」や「急行」は普通列車に該当する。 |
旅客営業規則などで「車内での飲食は禁止」などとは記載されていなく、啓発活動も行われてはいない。このため、飲食の是非は慣習によるところが大きい。
長距離列車であれば、車内で飲食する人はかなり多い。
駅の売店でも飲食物を販売するなどして、列車内で飲食することを前提に販売されている。
新幹線や特急列車は100%マナー的にOK。飲食そのものなら、周囲に白い目で見られることはない。
一方の近距離列車は「通勤電車」とも呼ばれるが、基本的に飲食するのはあまり好ましくはない。
座席の空席が大幅にある場合のようにかなり空いている時であれば、特に問題はない。しかし、立っている乗客がいるような環境ではマナー違反になる。
ただし、転換クロスシートと呼ばれる座席のタイプであれば、座っている場合なら飲食はOKだろう。
普通列車での飲食の是非
普通列車とは、JRや私鉄の在来線の各駅停車をはじめ、快速や急行などの列車が該当する。
つまり、「乗車券」のみで乗れる電車が普通列車に当たる。
電車内での飲食に関するマナーで最も議論の的になりやすいのも、普通列車での事例だろう。
マナー上のOK・NGの分かれ目になるのは、何と言っても座席の種類である。
ロングシート
飲食がOKの場合
・大幅に空いている|座席のほとんどが空席の時
・郊外を走っている|乗客が必然的に少ない郊外部(都市部から離れた区間)を走っている時
・中距離電車|走行距離が片道50km以上あるような路線
飲食がNGの場合
・乗客数が多い|座席の3分の1以上が埋まっている時。混雑時は論外。
・都市部を走っている|乗り降りが激しくなる都市部を走っている時
・近距離電車|飲食する人がほぼいない走行距離が片道50km未満の路線
ロングシートとは、進行方向に対して横向きに座るタイプの座席。
通勤型電車では最も主流なパターンである。「普通列車」と聞くとこのタイプを想像するはずだ。
座席が車両全体に占めるスペースの面積が小さくて済むのが特徴で、通勤ラッシュが非常に激しい首都圏ではどの路線でも主流である。
立ち席の乗客をより多く乗せられることから、通勤電車ではこのロングシートが使われているところが多い結果になっている。
基本的にはダメ
マナー的には、ロングシートの電車での飲食はNGといえる。特に食べることは好ましくない。
例外といえば、中距離電車かつ利用者が少ない郊外を走っている時で、さらに座席のほとんどが空いているようなガラガラの状態の電車内に限られる。
それ以外では、ペットボトルの飲み物を少し飲む程度に抑えるべき。
実際に他の乗客を見ても、ロングシートの電車にて何か食べている人を見かけることは少ない。
各駅停車だけでなく、快速などにおいてもロングシートだと飲食はマナー的に良くはない。
転換クロスシート、ボックスシート
転換クロスシートとは、進行方向に向いて座るタイプの座席である。新幹線や特急列車と同じタイプ。
ボックスシートとは、進行方向に対して向かい合って座るタイプの座席。1セットの座席にて片方は進行方向に向いて座り、もう片方は背中を向けるタイプ。昔の中距離電車といえば、このボックスシートが主流だった。
首都圏以外のJRの中距離電車でよく見かけるタイプの座席である。
>>転換クロスシートのマナーとは!? 首都圏の人は知らない!
ほぼOK
ロングシートとは違い、これら2つは普通列車でも飲食は比較的容認されている。
代表的な電車といえば、京阪神地区や名古屋地区の新快速が挙げられる。いずれも転換クロスシートで、しかも長い距離を走ることから、電車内で飲食している乗客が結構いる。
周囲の乗客と目線が合うような状態ではない環境からも、飲食がしやすい。
車内が混雑している場合はOKというほどではないものの、それでも窓側に座っているなら飲食はそれほど問題ではない。
あくまでも立っている人に近い通路側に座っている場合には飲食を避けた方が良いという点にとどまる。
<普通列車編>食べ物の種類ごとのOK/NG
食べ物の種類 | 可否 | 理由 |
---|---|---|
おにぎり | 〇 | |
パン | 〇 | |
アイスクリーム | △ | 乗るまでに溶ける可能性ありのため |
ガム、飴、チョコ | 〇 | |
スナック菓子 | △ | 噛んで音が出るものはNG |
肉まん(豚まん) | × | 臭いがキツイ |
駅弁、弁当 | × | あくまでも新幹線や特急用 |
ピザ | × | 臭いがキツイ |
カップラーメン | × | 臭いがキツイ |
マクドナルド、KFC | × | 臭いがキツイ |
※臭いを放つもの、テーブルを必要とするものはNG。 |
~記号の意味~
〇|特に問題なし
△|微妙、空いている場合ならOK
×|絶対にNG
普通列車でに飲食に関して、食べ物の種類ごとの可否ではこのような形になる。
おにぎり、パン、ガム・飴・チョコレートに関しては、空いている場合であれば特に問題はない。
転換クロスシートやボックスシートでも、これらの食べ物はよく見かける例に該当する。
これだけは絶対ダメ
一方で、普通列車にて飲食が絶対にダメなのが臭いがキツイもの、ボロボロ床にこぼれる可能性があるものである。
ピザ、カップラーメン、肉まん(豚まん)、マクドナルドやKFCのものなどは周囲の乗客にとって不快な臭いの原因になるため、電車内ではNG。
これらは新幹線や特急などを含めたすべての列車に該当する。
駅弁をはじめとする弁当類も、テーブルがない普通列車では転換クロスシートやボックスシートであっても好ましくない。
アイスクリームもどちらかというと新幹線や特急の車内で食べる印象が強い。
乗車するまでに溶ける可能性もある。普通列車は自由席で、座席に座れないリスクがあることも影響する。