名鉄線(名古屋本線・犬山線・常滑線・河和線)にて遅延が多くて毎日のように頻繫に発生している原因について調査。
混雑による停車時間の超過、神宮前~枇杷島分岐点までの過密ダイヤ、複数の路線の乗り入れの3つが主な原因に挙げられる。
東海地方の中ではダントツで遅延は生じるのがこれら名鉄4路線。
運転見合わせのような完全ストップまではいかないが、5~15分くらいは遅れて駅に到着するのが当たり前になっている。
<最新の遅延情報に関してはこちらの名古屋鉄道HPにて>
名鉄線の遅延の主な理由
遅延の原因 | 頻度 | 詳細な内容 |
---|---|---|
混雑による乗降時間の延長 | ★★★★★ | 途中駅での停車時間超過 |
過密ダイヤと名鉄名古屋駅 | ★★★★★ | 神宮前~枇杷島分岐点の過密ダイヤと名鉄名古屋駅の構造 |
複数路線の乗り入れ | ★★★★ | 名古屋本線・犬山線・津島線・常滑線・河和線の乗り入れ |
踏切関連 | ★★★★ | 人身事故、踏切内点検 |
名鉄線にて遅延の原因となるのは、上記の4つが当てはまる。
まずは慢性的な混雑。朝夕の通勤ラッシュで大混雑になり、駅での乗降時間の延長による停車時間の超過が遅れにつながる。
過密ダイヤは特に神宮前~枇杷島分岐点までの区間で顕著。特に名鉄名古屋駅での乗降時間超過による遅延は次々と影響しやすい。
複数路線が乗り入れていることもあって、どれか1つでも遅延が生じるとダイヤが乱れる点も要因。
そして、踏切関連の事故や点検。人身事故・踏切内点検もよくあるパターン。
これら以外にも急病人救護、線路内立ち入り、駅構内の非常ボタンの作動、車両故障・設備故障などもあり得る。
混雑による停車時間の超過
混雑が原因での遅延の詳細
- 名鉄名古屋本線:栄生→名鉄名古屋で混雑率144%、神宮前→金山で混雑率143%(2018年データ)
- 名鉄名古屋駅
>>名鉄名古屋本線の通勤ラッシュの混雑状況を時間帯・区間ごとに調査
名鉄名古屋本線の朝ラッシュは東海地方でも首位。混雑率は栄生→名鉄名古屋で144%、神宮前→金山で143%(2018年データ)。
各駅停車だけの運転なら乗車率もこれに近い数値になるが、優等列車の運転があるため列車種別による違いがある。
各駅停車とそれ以外(特急・急行・準急)では、圧倒的に後者の方が混雑する。
名鉄名古屋駅での遅れ
名鉄名古屋駅での停車時間が全体の遅延につながりやすい。
岐阜・新鵜沼方面、豊橋・中部国際空港方面でそれぞれ1面ずつしかホームがないため、同時に電車が発着できない構造。
その上で名鉄名古屋駅は名鉄の中でも最も乗降客数が多い駅。
乗車ホーム・降車ホームが分離されているものの、停車時間の超過が起こりやすい。
数分の遅れの原因の1つなのは確実。
過密ダイヤによる遅れ
過密ダイヤの区間の存在は名鉄線の遅延の温床。
神宮前~東枇杷島間は複数の路線が乗り入れている。この区間は名鉄名古屋駅や金山駅が存在するが、いずれも名古屋本線だけでない。
枝分かれしていく路線を走る電車に少しでも遅れが発生すると、この区間に入る時間が時刻表に沿ったものではなくなる。
例えば、名鉄常滑線からの上り列車が3分遅れて神宮前駅に到着すると、名古屋本線からの列車が定時で運転していても遅れている常滑線からの列車に接近して徐行運転を余儀なくされる。
神宮前~東枇杷島間は上下線ともに日中のオフピークの時間帯であっても2分間隔で電車が走っている。電車が1本でも2分以上遅れると、後続の電車のも併せて遅れが生じる。
こうした事情が、名鉄名古屋駅を通る路線の電車はそうではない単独路線よりも電車が遅れる頻度が高い理由となっている。
踏切関連
首都圏や関西圏と比べて、中京圏を走る名鉄ではあまり高架化や地下化が進んでいない。
一般道路と踏切で接しないようにすることを連続立体交差事業というが、名鉄の各線ではあまり積極的には進められていない。
地上を走っている区間がほとんどであるため、一般道路とは踏切で交差する。自動車や人が線路内に入りやすい環境となっているのは事実。
そして、これが原因で人身事故が起きる確率が高くなっている。
人身事故
よくあるのが、踏切内に自動車が立ち往生してそこに電車が衝突する事故や認知症の高齢者が線路内に入って電車にひかれるという出来事である。
簡単に線路内に入れることから、これらが起きるのは間違いない。
また、駅構内でホームから線路に転落するという事故も起こることがある。
名鉄ではホームドアの設置がまったく進んでいないこともあって、誤って転落するケースがよくある。
自殺目的で列車が接近しているところを線路に飛び込むという出来事もある。
いずれも、一度人身事故が起きると路線内を走る列車が完全にストップして運行が止まる原因だ。
事故処理が必要なため、運転再開までにはかなりの時間がかかる。多数の乗客に悪影響が出るのは避けられない。
緊急停止による安全確認
列車通過直前横断、線路内立ち入りなども起こりやすい。これらが起こると電車が緊急停止する。
運転士による目視判断の結果から踏切内の障害物検知センサーが作動して自動的に急ブレーキがかかる場合の2パターンがある。
一旦非常停止すると運転再開までには5分はかかる。「踏切内点検」と運行情報の掲示板に記載されている場合、ほとんどは直前横断によるものと考えてよい。
名鉄名古屋本線だけに視点を置いても、並行するJR東海道本線と比べても踏切の数が多い。
その分、踏切関連の不測の事態が起こりやすい。