なぜSuica・PASMOは田舎では使えない? 普及率が低い理由

Suica・PASMO

東京とその周辺の首都圏では広くSuicaとPASMOが普及している。前者はJR東日本、後者は関東の私鉄各社で構成される団体が運営している交通系ICカードだが、持っていない人はほとんどいない。

しかし、田舎に行くとSuica・PASMOは使えないというケースが多い。普及率が低く、JR線でもローカル線では切符のみしか使えず、ICカードは利用不可となっている例も結構多い。

なぜ地方の田舎に行くとSuica・PASMOなどが利用できないのか。社会的な理由について考える。


鉄道利用者数が少ないから

そもそもSuica・PASMOなどの交通系ICカードは電車に乗るための電子マネーである。切符を買う必要がないというメリットから、これらが普及した。

もし切符だけしか使えないとしたら、駅の券売機には長い行列が毎日できることになる。時間通りに駅に到着しても電車に乗り遅れることも考えられる。

Suica・PASMOが使える自動改札機

ただ、鉄道の運賃の支払いだけでは実際にICカードを使う人が増えないということで、今ではコンビニや駅構内のお店、スーパー、ガソリンスタンドなどでも使えるようになった。

クレジットカード機能が付いているものも登場し、Suica・PASMOともに利用用途が増えた。

田舎の場合、お店があるのは間違いないものの、最大の特徴である電車の運賃の支払い方法という点では利用者数が圧倒的に少ない。

車社会(モータリゼーション)が進んでいるため、田舎の鉄道利用者はかなり少ない。Suica・PASMOが普及していない理由もここにある。

ローカル線で交通系ICカードが使えないのは?

ICカードが使えない地方のローカル線

ローカル線では、たとえJR線であってもICカードが使えないことが多い。この理由としては、設備に莫大なコストがかかるという点が挙げられる。

都会 地方
自動改札機が普及

鉄道利用者数が膨大な数になる

商業施設も多い

自動改札機がない

鉄道利用者数がかなり少ない

お店も少ない

Suica・PASMOが電車で使えるようにするためには、改札口にICカード用の専用機器を作らなければならない。

そもそも自動改札機がないような地域では、これを導入するメリットが薄い。赤字経営のところをますます財政悪化させる要因ともなりかねない。

Suicaを運営するJR東日本でも東北地方の一部の地域に行くとSuicaが使えない。その理由はこれに当たる。

都会へのあこがれの象徴にも

ところで、田舎にはなくて都会には広く浸透しているものの代表的なものとしてSuicaやPASMOが例に挙げられることがある。

都会のシンボル

大都会のシンボルということで、田舎で育ったものの都会の文化に触れたことがない人にとっては、Suica・PASMOは「憧れの存在」のようだ。

特に中学生から高校生にかけての年代に多い。車社会が定着し、鉄道を使う機会がない人ほどこれに魅力を感じる。

以前と比べると交通系ICカードが使えるエリアの範囲が広がったことで、田舎であっても触れる機会は出てきているものの、都会の電子マネーというイメージはまだまだ消えていない。


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