JR東日本の在来線ではグリーン車が連結されている路線が複数ある。近郊路線では一部を除いては4・5号車に付いている。
乗車するには乗車券(定期券もOK)+グリーン券が必要になる。追加料金がかかる車両だが、座席の仕組みは自由席となっている。指定席ではないため、座れない可能性もある。
なぜ追加料金がかかるのに座席指定制になっていないのか。あえてグリーン車自由席にしている理由を調べてみた。
在来線の普通・快速は「来た電車に乗る」が基本
JR東日本の首都圏の在来線のグリーン車の役割とは、快適かつ着席サービスを提供することである。
この点では新幹線や特急列車と同じである。座りたいという需要に応えたサービスがグリーン車といえる。
通勤列車は満員電車となればもちろん座れない。一方の新幹線や特急列車も、乗客が多い時間帯になれば自由席だと満席で空席ゼロなんてことにもなる。
グリーン車は「座りたい」人に対して追加料金を獲得することでそのサービスを提供している。
普通・快速グリーン車を自由席にすることで
在来線 | 特急系 | |
---|---|---|
列車の選択 | 来た電車に乗る | 事前に乗る列車を狙う |
座席指定にすることで | 乗車列車の選択が自由 | 確実に座れる |
グリーン車の役割 | 進行方向に向いて座れる | 座席が広くて快適 |
現状 | 自由席 | 指定席 |
ただし、在来線の普通列車や快速列車は、指定席を予約してまで乗るような電車ではない。
優等列車のように「乗る列車を決める」ことはない。「来た電車に乗る」というスタイルが主流だろう。
指定席にすると、どうしても出発まで時間に余裕を見る必要がある。駅にいたとしても、1,2本後の電車に乗るように座席を予約することが求められる。
一方の自由席であれば、来た電車に乗ってあとは空席を見つけるだけで済む。座席指定でないため、グリーン券を購入した後でも乗る電車は自分で自由に決められる。
グリーン車が連結されている近郊路線なら10~20分に1本は走っている。特定の電車に乗る必要がないという便利さこそ、在来線は指定席ではなく自由席になっている理由だろう。
グリーン車で空席ゼロになることはある?
普通や快速のグリーン車が満席となって空席が完全にゼロになることは実際にあるのか。グリーン券を購入したのに座れなかったら損することになる。
結論を言うと、グリーン車が満席になることは頻繁にある。中でも湘南新宿ラインや上野東京ラインで運転される東海道線、宇都宮線、高崎線は可能性が大きい。
<グリーン車が満席になりやすい列車> | |
湘南新宿ライン | 特別快速(高崎~小田原) |
湘南新宿ライン | 快速(宇都宮~逗子) |
高崎線 | 快速アーバン、通勤快速(上野~高崎) |
宇都宮線 | 快速ラビット、通勤快速(上野~宇都宮) |
特にグリーン車の混雑が目立つのが湘南新宿ラインの特別快速である。さらに、宇都宮線の快速も同じく混雑しやすい。
もしグリーン車が満席だったら?
ただし、グリーン車が満席になった場合は手数料なしで払い戻しができる。切符の返金のことである。
グリーン車にいる車掌(グリーンアテンダント)から満席による払い戻し用の証明書をもらうことで、駅で払い戻しを受けることができる。
なお、証明書がないと手数料がかかってしまう。210円という安くはない金額になる。
もし自分が乗ったグリーン車が満席のために乗れなかったとしたら、直ちにグリーンアテンダントに声をかけることをおすすめする。