名鉄豊田線の運賃が高いという声は後を絶たない。赤池~豊田市間を走る路線だが、名古屋市営地下鉄鶴舞線と一体的に運転されているものの、二重料金という性質がある。
豊田線の沿線から名古屋市中心部へ向かう場合、必ず名鉄豊田線と鶴舞線の2つを使うことになる。
電車は1本のみで済むかもしれないが、鉄道事業者が異なるため、名鉄と地下鉄は別料金となる。
このため、例えば豊田市→伏見間を移動するとなる場合、豊田市→赤池の460円と赤池→伏見の300円をそれぞれ合計した運賃を支払うこととなり、合計で760円かかる。
別料金だから高い
名鉄豊田線だけを乗るという人は少ない。沿線に住んでいる人の大部分は鶴舞線を経由して名古屋市の中心部まで行く。
名鉄単独で名古屋駅辺りまで行くことは可能だ。豊田市駅から三河線の乗り、知立駅から名古屋本線に乗り換えれば名鉄名古屋駅や金山駅までは行ける。
しかし、所要時間の面では圧倒的にデメリットが大きい。しかも、遠回りしていくこととなるため、運賃も高くつく。結局は豊田線・鶴舞線経由の方がメリットが大きい。
しかし、それでも距離に対しては運賃が割高になるのは否定できない。名鉄と名古屋地下鉄という2つの鉄道事業者から負担を求められることには変わりない。
しかも乗り継ぎ割引のようなものは一切ない。これにより、乗客の負担額は他の地域よりも大きくなる。
もし名鉄豊田線と地下鉄鶴舞線が1つだったら
仮に名鉄豊田線、地下鉄鶴舞線が別会社でなく1つの鉄道事業者が経営してた場合、運賃はいくらになるのか。
名古屋市営地下鉄が全線を保有しているとすると、運賃は豊田市→伏見で330円というかなりの安さになる。
名鉄が単独で上小田井駅まで所有していた場合、運賃は豊田市→伏見で610円くらいになる。
加算運賃を入れても600円台前半に収まるということで、鉄道事業者が2つに分かれていることで負担額が高くなっている実態が感じるだろう。
名鉄豊田線に加算運賃
そして、名鉄豊田線単独でも運賃は割高になっている。名鉄だと名古屋本線や常滑線、犬山線が主流で有名だが、豊田線はそうした路線よりも距離単価が高い。
名鉄豊田線では全区間で距離によって20~60円の料金は定価運賃に加算されている。豊田市→赤池は本来なら400円だが、これに追加で60円がプラスされる。
よって、運賃は今のように460円という形になっている。
名鉄豊田線が開業したのは1979年ということで、決して最近のことではない。すでに40年も経過していることとなる。
同じ時期に開業した鉄道路線といえば、1971~1990年に順次開業した京王相模原線が例に挙げられるが、こちらも加算運賃が少し付いている。
2017年に加算運賃が値下げされたものの、依然としてゼロにはなっていない。こうした情勢から、名鉄豊田線でも今後も加算運賃の適用は継続すると思われる。