鉄道車両メーカーの一覧! 市場のシェアも分析

鉄道車両メーカー

鉄道車両のメーカーの一覧と海外および日本国内のシェアについて。新幹線から在来線の通勤型電車、あるいは地下鉄まで車体本体を手掛ける企業の構図について、市場の規模から分析。

最近では日本の新幹線(高速鉄道)を中心に世界へ輸出することを目指して国を挙げて鉄道車両の売り込み力を入れている。



日本国内の鉄道車両メーカーの一覧

日本国内の鉄道車両メーカーの売上高の勢力図

日本の鉄道車両メーカーの売上高別シェア

鉄道車両のメーカー 売上高(2018年) シェアの割合
日立製作所 6,300億円 67%
川崎重工業 1,246億円 13%
日本車両製造 953億円 7%
近畿車輛 616億円 7%
総合車両製作所 557億円 5%

※売上高には車両単体だけでなく、鉄道部品・設備に関連する製品やサービスも含まれる。

>>鉄道信号のメーカーの一覧!シェアも予測分析

日立製作所

日立製作所は日本国内ではJR・私鉄各社に車両を納入しているが、海外に大きな販売網を持つことで他社よりも圧倒的に市場規模が大きい。

日本国内だけに視点を置けば、シェアは全体の3割程度になると考えられるが、世界中の鉄道事業者の車両を手掛けていることから、売上高が6,300億円と高い金額になっている。

2015年にはイタリアのフィンメカニカ社の鉄道部門を買収したこともあって、現在では世界でもトップ勢の仲間入りを果たしている。

なお、2014年の時点では約1,600億円しか売上がなかった。ここ最近になって急成長したことがわかる。

情報通信や電子装置などの他の部門と比べても鉄道分野での躍進が注目されている。

川崎重工業

川崎重工業は特に新幹線の車両の受注でトップのシェアを誇り、在来線でもJR・私鉄問わず様々な鉄道事業者向けの車両を製造している。日本国内に限ってはトップ勢に入る。

しかし、鉄道車両の海外事業となると日立製作所と大きく差をつけられている。

川崎重工業は世界的にみると高速鉄道、通勤電車、地下鉄のいずれでも受注件数が少ない。

諸外国のほかのメーカーと比べても価格面や納期面で劣ることもあって、売上が思うように伸びていない。

営業利益に関しても、川崎重工業は2017年、2018年は赤字に陥っている。

大幅な黒字の日立製作所とは明暗が完全に分かれている。

航空宇宙や精密機器・ロボットなどの他の分野での利益で何とか黒字を達成している。

日本車両製造

日本車両製造はJR東海グループということで子会社となっている。

主に東海道新幹線、山陽新幹線・九州新幹線のN700系シリーズの製造に力を入れていることでよく知られている。

在来線でもJR・私鉄の複数の鉄道事業者向けに受注している。

国内の鉄道車両メーカーとしては第3位に入る。国内のシェアだけを見れば、正確なデータはないものの概ね全体の2~3割には入ると考えられる。

ただし、日本型の新幹線の海外への輸出が思うように進んでいないこともあって、世界的なシェアで見ると高いとは言えない。

日本の新幹線(JR東海)の海外進出の成果によって今後の業界での立ち位置が左右されるだろう。

近畿車輛

近畿車輛は近鉄グループということで同じように大手の鉄道事業者の子会社になる。

最近だとJR西日本も出資するようになり、大阪を中心とする関西地区の鉄道車両メーカーという性質が大きくなっている。

近鉄向けはもちろんのこと、東京メトロやJR・私鉄各社の一部の車両の制作を受注している。

一方の海外市場ではやはり規模がまだまだ小さい。メインは今のところが国内になっている。

鉄道関連の事業の売上ランキング上では第4位になる。

総合車両製作所

総合車両製作所(J-TREC)はJR東日本グループの子会社である。

JR東日本の在来線向けの車両をはじめ、首都圏を中心に一部の私鉄からも車両の制作を受注している。

首都圏以外の地域にはあまり納入していない。国内のシェアはもちろんのこと、世界全体として見てもシェアは小さい。

鉄道車両とその関連事業の売上ランキングでの国内メーカーでは第5位に入る。

重工業系と鉄道会社系の2グループ

日本の鉄道車両メーカーの構図上では以下の2つに分かれる

重工業メーカー

鉄道会社の系列

いずれも鉄道車両のみに進出しているわけではない。車体の製造は数ある部門または関連会社の一部の部門に過ぎない。

重工業メーカー系

重工業メーカーとは、鉄道車両以外にも大型の機械製品を手掛けている製造業である。日立製作所と川崎重工業はこれに該当。

いずれも航空宇宙、精密機器、電子部品、産業用ロボット、情報通信などの他の分野の製品やサービスにも参入している。

総合電機メーカーという分野にも入る。

鉄道車両が主力の事業の一部ではあるものの、他の部門より圧倒的に売り上げが大きいというわけではない。

完成車の製造が完全なる主力事業となる自動車メーカーのような感じとはまた別である。

鉄道会社の系列

鉄道会社系のメーカーは日本車両製造、近畿車輛、総合車両製作所の3つである。

いずれも大手の鉄道運行会社の子会社(グループ会社)という位置付けに入る。

  • 日本車両製造=JR東海
  • 近畿車輛=近鉄、JR西日本
  • 総合車両製作所=JR東日本

グループの親会社は電車を走らせる会社になる。

主力事業はあくまでも電車の運行、あるいは不動産やホテル、駅ナカ事業が中核をなす事業になる。

鉄道車両の製造はあくまでもサイドビジネスの程度にとどまるようにも見える。

世界の鉄道車両メーカーと売上高ランキング

企業名
中国中車 中国
シーメンス ドイツ
ボンバルディア カナダ
アルストム フランス
ゼネラルエレクトリック アメリカ
日立製作所 日本
現代ロテム 韓国
シュタッドラー・レール スイス
トランスマッシュ ロシア
CAF スペイン
川崎重工業 日本

中国中車が世界第1位

世界的にみると、日本勢ではトップの日立製作所でも優勢に立っているとが言い難い。

トップに君臨するのは中国の「中国中車」である。

中国国内の高速鉄道から在来線の通勤電車、地下鉄までカバーしている国営企業。

日本とは違って中国は国土が広くて人口もかなり多いことから、鉄道車両の需要もかなり多い。

受注件数が自然と多くなる環境に置かれていることもあり、世界トップに立つ鉄道車両メーカーの立場にある。

近年では一帯一路の政策によって諸外国へも進出している。

シーメンス・ボンバルディアも

ドイツのシーメンスやカナダのボンバルディアもまた世界的にはトップクラスに入る。

受注している車両は主に欧米諸国の鉄道事業者になる。日本勢とは違っていずれも国土または単一経済ブロックの地域が広いこともあって優位に立つ。

ただし、近年は中国中車との差が広がっている。

価格面で特に優勢に立つ中国中車は、鉄道インフラにかけられる予算に乏しい発展途上国を中心に受注を増やしている。

日本の日立製作所や川崎重工業と同じように、シーメンスやボンバルディアも鉄道車両を手掛ける分野では中国勢に負けていると判断できる。

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