鉄道信号のメーカーの一覧!シェアも予測分析

鉄道信号メーカー

鉄道信号システムのメーカーの一覧。国内の鉄道会社ごとのシェアについても大まかに分析。

いずれの企業も鉄道信号のみならずそれ以外の運行管理システムや交通信号機にも事業を広げていることから、正確な売上高データはなく、あくまでも推定にはなる。

ランプなどから自動運転装置までさまざまな分野が集まったのが信号システム。すべて取り上げると無数になるため、今回はそれらの一部を抜粋する。


鉄道信号システムの主要10社

企業名 採用する鉄道会社 主力事業
日本信号 JR各社が主力 ATS、ATC、ホームドア
京三製作所 私鉄・地下鉄が主力 ATC、ATO、ホームドア
大同信号 JR東日本が売り上げの50% 鉄道信号
三工社 JR各社 信号灯、ATS地上子
東芝トランスポートエンジニアリング 重工業
日立ハイテクファインシステムズ 重工業
東邦電機工業 機械制御盤
コイト電工 鉄鋼

鉄道信号システムに関する製品を出している企業として主要な8社をピックアップ。

中でもシェアが大きくて鉄道信号に関する分野が企業の主力事業になっているのは以下の3社である。

  • 日本信号
  • 京三製作所
  • 大同信号

これらが「鉄道信号ビック3」とも呼ばれている。

参照:ホームドアのメーカーの主要10社! 鉄道会社ごとのシェアとは!?

日本信号

日本信号は主にJR東日本、JR東海、JR西日本を中心にJR各社が最大の顧客となっている。

JR西日本とは2016年より資本業務提携を行っている。より関係が強くなっていることがわかる。

ATSなどの列車自動停止装置は有名だが、運行管理システム、踏切の装置、ホームドア、旅客案内掲示板なども日本信号が関係しているところが多い。

1964年に開業した東海道新幹線向けの車上信号方式の自動列車制御装置 (ATC)を開発したことでも知られている。

当時の在来線はまだ渋滞の灯火式の信号機を使っていたため、ATCはかなり珍しかった。これが現在のATO(自動列車運転装置)などの装置にも生かされている。

京三製作所

京三製作所もまた日本信号と同じような製品を開発生産している。

顧客はどちらかというと私鉄・地下鉄が目立つ。JR各社からも受注していることは確かだが、列車制御装置などの大規模な製品やサービスでは私鉄からの受注が多い。

同じくATC、ATOなどの誰もが想像する信号設備から運行管理システム、ホームドア、自動改札機などにも手を伸ばしている。

ホームドアに設置によって車掌の乗務を廃止するワンマン運転のための設備も京三製作所が得意とする。

これが実施されている地下鉄では京三製作所の信号システムを導入している事例の代表格ともいえる。

大同信号

大同信号もまた鉄道信号システム単体で考えると業界第3位に入る。

日本信号や京三製作所と同じく「鉄道信号業界」に分類されるものの、開発生産している製品は上記2社とはやや異なる部分もある。

ホームドアや旅客案内板などは出していなく、交通信号機には携わっていない。

自動列車制御装置や運行管理システムを出しているが、シェアで見ると上記2社よりも劣る。

踏切保安装置や電子連動装置などを得意とするようだ。

得意先もJR東日本が全体の50%を占めている。残りの半分がその他JRグループ、私鉄、公営地下鉄の複数社で分け合っている構図でもある。

ビッグ3以外

日本信号、京三製作所、大同信号の3社以外の関連企業は鉄道信号システムがメインというわけではない。

特に列車集中制御装置や運行管理システムなどの高度なパック製品には参入していない。

信号灯器や地上子、センサーの一部、開閉盤などの一部の部品にとどまっているところがほとんど。

また、信号システムよりも車両などの制作の方に重点が置かれている企業もある。

東芝トランスポートエンジニアリングや日立ハイテクファインシステムズがこれに該当する。

一般的な人が信号システムとして想像する完成型の製品を作っているのはビック3にとどまる。

>>交通信号機のメーカーの一覧! 主要3社+α

市場の動向

鉄道信号業界の市場

国内

鉄道信号業界では、最近ではATC、ATO、ホームドアが主な大口案件となっている。

より安全かつ高頻度運転を可能にさせるのがATCとそれの発展形であるATOである。

少し前までは一部の地下鉄にだけ導入されていたものの、最近ではJR・私鉄をはじめ複数の鉄道会社でも導入されるようになりはじめた。

信号システムと連動してホームドアの整備にも各鉄道事業者で積極的に取り組まれている。

こちらもまだ関係する鉄道信号の企業にとっては大口案件である。

海外

日本の鉄道信号システムに関連する企業も海外進出の例外ではない。

各国の地下鉄を中心に高頻度運転を可能にさせる信号システムを輸出している。

さらには、日本ではまだ実績が少ない無線通信を利用した鉄道信号も導入を進めている。

今後は5Gによる通信が主役になると期待されている中、鉄道信号も無線を通じた通信を行う方向へと切り替わっていくものと思われる。

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