日本全国の各地域にはそれぞれの方言がある。アクセントが標準語とは大きく異なる場合は「訛り」となる。これらの評価については、「恥ずかしい」や「教養のない」といったマイナスの低いものは目立つ。
話し言葉が方言であって単語のアクセントが訛っている人というのは、頭が悪い人であって、評価されるためには標準語に直すべきと感じている人は多いはず。
本当に方言と訛りは、人前では積極的に口にしてはいけないような恥ずかしいことなのか。
やはり評価は低い傾向
主な印象 | 詳細 |
世間知らず | 田舎育ちで文化や社会に触れていない人という印象。 |
教養がない | これまで勉強をしていなく、知識の欠如がある。常識がない。 |
自己中心 | 標準語という全国の水準に合わせない自分勝手な人というイメージ。 |
人前で方言で話す人や話し言葉が訛っている人というのは、上のような印象をもたれやすい。
地方の山間部や農村部では確かに問題なく、広く受け入れられているのは確かな事実ではある。
しかし、都市部のように人やモノの流れが活発な地域では、方言や訛りというのは社会から孤立した人が使うという低い印象を持たれることとなってしまう。
「世間知らず」、「教養がない」、さらには「自己中心」的であるとも思われる原因ともなりかねない。
こうしたイメージから、都市部の人々からだと方言や訛りというのは恥ずかしいことであり、すぐに直すべき言葉遣いと思われるだろう。
東京の発想ではあるが
確かに、方言や訛りが良くないことと思う人は都市部の社会で生きている人々であって、それが使われている地域ではない。
地方でも都市部では、できれば直した方がいいかもしれないと思う人もいるだろう。しかし、山間部や農村部のように方言と訛りが積極的に用いられているエリアではまったくそういった考えはない。
東京などの都会の人の田舎への評価とイメージであって、あくまでも「東京の発想」ということになる。
全国の誰もがこのように地域特有の言葉遣いやアクセントを否定しているわけでなく、むしろその地域でその地域に住む人が標準語を使うのは良くないことと考える人も結構いるくらいだ。
人間性まで否定されてしまう原因になるのは、地方部ではなく都市部に限られた話である。
逆バージョンも
なお、田舎においても都市部の人たちに対する偏見は存在する。
他の地域、中でも鉄道社会が浸透した大都市からの転入者に対しては冷たい目線でみられるケースもある。
標準語に直すことが推奨
では、地方の人で今後どこか別の地域で転居する予定がある人、あるいは地方だが都市部で暮らしている人は標準語に直すべきなのか。
このように、少しでも都市部でかかわっていく計画があるのであれば、できれば東京と同じ標準語に直すべきといえる。
実際のところ、人と関わっていくためには高く評価される必要がある。方言・訛りはそれが下がる原因となりかねない。
「第一印象はとても重要」といわれるように、標準語を使うことでその第一印象が良くなる。一部の地域でしか使われない言葉やアクセントを使う人よりも良いのは確かではないか。
子どもに関しても、望ましいのはやはり標準語ということになる。
将来的に都市部で活躍していくポテンシャルがあることを考えると、方言と訛りを積極的に使うように推奨することはできない。