電車内への段ボールを持ち込んで乗ることの可否に関しては各鉄道事業者の旅客営業規則に基づいて決められている。OK・NGの判断はサイズで異なる。
JRグループの場合だと、タテ・ヨコ・高さの合計が250cm(長さは2メートルまでに限る)以内で、重さが30kg以内のものを合計2個まで持ち込めると定められている。
私鉄や地下鉄においても、これに準じた内容のところが多い。
JRグループを例にすると
旅客営業規則 第308条 (JR東日本)
携帯できる荷物で、タテ・ヨコ・高さの合計が250センチメートル(長さは2メートルまで)以内、重さが30キログラム以内のものを2個まで持ち込むことができます(ただし、傘、つえ、ハンドバッグなどの身の回り品は個数に数えません)。
JR東日本 – 旅客営業規則 より
JRグループでは、三辺の合計が250cmまでの荷物であれば電車内へ持ち込んでもOKとされている。
旅客営業規則は、今回はJR東日本のものを取り上げたが、手回り品に関する事情は他のJR各社でも同じ。
したがって、段ボールでもタテ・ヨコ・高さの合計が250cm以内かつ重量30kg以内なら持ち込める。
実際のところ、成人の男性でも手で持てる段ボールの大きさ・重さには限界がある。
どんなに頑張ってもタテ・ヨコ・高さの合計が140cm程度が限界。重量も10kgくらいが限度だろう。
よって、電車内に持ち込めない段ボールの大きさのことを深く考える必要はあまりない。
なお、私鉄・地下鉄ではJRとは別の旅客営業規則を持っている。ただ、基本的には大きな違いは見当たらない。
スーツケースは完全にOK
ただし、スーツケースに関しては旅客営業規則 第308条での「手回り品」には該当しない。
スーツケースやキャリーバッグはあくまでも「身の回り品」とされている。つまり、鞄や傘などと同じ扱いとなっている。
旅行や出張などへ行く際には抱えないスーツケースやキャリーバッグだが、サイズに関係なく電車に持ち込むことができる。
新幹線や特急のみならず、一般的な在来線の通勤電車にも載せることができるのは当たり前。
とはいえ、もし混雑した通勤ラッシュを避けることができるのであれば、可能な限りは閑散としたオフピークに鉄道を利用するのが好ましい。
>>満員電車へのスーツケース、キャリーバッグの持ち込みの是非
段ボールの持ち込みがNGの場合とは?
ただし、現実的に考えると段ボールの持ち込みが物理的に不可能なことがある。
それは、電車内が非常に混雑している「満員電車」になる場合である。平日の朝夕の通勤ラッシュでは、車内が混み合っているため段ボールの持ち込める余裕などない。
無理矢理持って乗りこむことも可能かもしれないが、他の乗客に迷惑になるため乗車マナーの観点からはNGである。
段ボール箱を持って電車に乗車すること自体は認められているものの、それはあくまでも他の乗客の邪魔にならない範囲内に限られているのも事実。
したがって、持ち込める時間帯といえば早朝、昼間、夜遅くの比較的空いている時のみとなっている。
段ボール持ち込みのOK/NGの基準
乗車率 | 段ボール持ち込みの可否 | 混み具合の目安 |
---|---|---|
50% | 〇 | 全員が座席に座れる |
80% | 〇 | ドア付近に立っている人が結構いる |
100% | △ | 吊革・手すりがすべて埋まる |
120% | × | ドア付近で手荷物が他人に接する |
150% | × | ドア付近で他人に接することがある |
180% | × | 車内奥でも他人に接する |
200% | × | 乗客同士で押し合う |
各乗車率ごとの段ボール持ち込みの是非は上のようになる。
基本的には立っている人があまりいない状態なら段ボール持ち込みがOK。荷物が触れ合うほどの混雑時はNGということになる。
吊革・手すりがすべて埋まるほどの混雑になると、段ボールを持って電車に乗るのは控えた方がよいだろう。
網棚の上に載せるという方法もあるが、混雑区間に突入した後に乗車するとなるとそもそも網棚に乗せることすらできない。
空いている区間から乗るのであればそれほど問題はないものの、それでもできる限りは避けるのあ無難である。