新幹線や在来線特急の自由席において満席で座れなかった場合の措置としては「デッキまたは通路でお立ちのままご乗車ください」とされている。
指定席より値段が安いという利点があるものの、着席保障がないという欠点があり、どうしても座れないリスクが付いてくる。
対処法としても、追加料金を支払って指定席又はグリーン車へアップグレードするか、立って乗り続けるかのいずれかになる。
ただし、途中駅からの空席を狙うのは可能。
目次
自由席が満席の時の対処法は3つ
主な対処法 | 補足 |
---|---|
追加料金を支払って指定席・グリーン車へアップグレード | 車掌へ申し出て指定席特急券/グリーン車特急券と自由席特急券の差額を支払えばOK。空席ゼロの場合は無理。 |
デッキで立って乗る | デッキ(車両の端)で立って乗る。最も多いパターン。しゃがみ込むのはマナー的に微妙。 |
通路に立って乗る | 客室内の通路上に立って乗る。ただし、立ち客が少数だと乗客の通行や車内販売の妨げになるためNG。 |
いずれにもメリットとデメリットがある。
普通車指定席だと予約しておけば確実に座れるメリットがあるものの、料金が割高かつ満席だと乗れないという欠点がある。このため、自由席という選択肢を選ぶ人が少なくない。
乗車前であれば、1本後の電車を狙うために自由席待ちの列の先頭に並ぶこと、停車駅が多い列車種別を選ぶなどの選択肢が選べる。
しかし、実際に自由席が満席かどうかは乗ってみた後でないとわからない。
乗車後で空席が全くない場合の対処法は上記の3つのいずれかになる。
追加料金を支払って指定席・グリーン車へ
新幹線と在来線特急ではいずれも乗車後でも指定席特急券またはグリーン車特急券と自由席特急券の差額分の料金を支払えば、自由席から指定席またはグリーン車へ変更することができる。
車掌に申し出て、指定席・グリーン車へ変更したいことを口頭で伝えれば、切符を発券してくれる。
車掌は満員列車出ない限りは自由席まで時々巡回してくる。また、車掌室にも最低1名が乗務している。
巡回してきた時か車掌室へ行ってアップグレードの手続くを行えば、100%着席できる指定席・グリーン車への変更が完了。
ただし、指定席が満席の場合は変更はできない。グリーン車も満席の場合は変更ができない。
あくまでも空席が残っている場合に限られるため、年末年始・GW・お盆などの大型連休に加え、三連休などの混雑しやすいのが時期はこの手段は非現実的になる。
自由席が普段より若干利用者が多いために満席という程度の場合しか変更はできないと考えてよい。
諸注意
なお、自由席→指定席・グリーン車へ変更した後に再度自由席への変更はできない。1回限りのアップグレードに限って行える措置で、ここは注意が必要。
車掌への言い方(何て言えばいいのか?)
自由席から指定席・グリーン車へ変更する際の言い方としては、以下のような台詞になる。
乗客:「すみません。自由席から指定席(又はグリーン車)へ変更したいのですが、出来ますか?」
車掌:「差額分をいただきますが、よろしいでしょうか?」
乗客:「承知しました。只今発券致しますので、少々お待ちください。…」
要するに、自由席から指定席(又はグリーン車)へ変更したいということを伝えればそれでも問題ない。
特に難しい手続き等はない。
なお、JR各社の新幹線・特急の指定席の空席の有無は「JRサイバーステーション」にて確認可能。
デッキで立って乗る
ドア付近のデッキで立って乗るのが2つ目の手段。
車両の端部(連結部周辺)のスペースに立って乗っている人も多い。
着席している人がいないことで、あまり周辺に人がいない空間ということもあり、以外にも人気の場所となっている。
自由席が満席の場合で最初に座れなかった人達がいるスペースもデッキ。
壁に寄りかかることができるため、姿勢としては比較的楽。
一部の乗客には床にしゃがみ込む人もいる。とはいえ、こちらは姿的に好ましいとは言えず、マナー上の是非は微妙なところ。
欠点としては、途中駅に到着する際には乗客の乗り降りの妨げになってしまうため、一旦ホーム上に降りるか、別のスペースへ移動することが求められる。
さらに、途中駅にて自由席利用者が降りていった場合でもすでに客室内の通路上に立っていた人に先に座席を取られてしまう。
降車駅まで座れないことが最も確率的に大きい手段でもあるのがデッキに立つという方法ではある。
通路上に立って乗る
客室内の通路上にて立って乗るのが3つ目の手段。
途中駅にて着席者が降りていく場合は、そこの空いた座席を狙うことができる。
その一方で、通路上にはデッキと違って寄りかかれる壁がない。通勤電車にある「吊革」「手すり」もないため、ずっと自分の足で体を支える必要がある。姿勢的には厳しいというのが現状。
また、立ち客が比較的少ない車内では通路上に立つのではなく、デッキにいる方が好ましい。
トイレに向かう人の通行や車内販売、車掌の巡回の際の通行の妨げとなってしまうからだ。
途中駅にて空席を確保するコツ
新幹線や在来線特急の自由席にて着席できる確率を上げる方法の中で重要なことは、途中駅にて座席を確保すること。
最初は座れなかったとしても、最後まで立って過ごすのと途中駅から座れるとでは天と地の差がある。
少しでも空席を見つけるためには、ちょっとしたコツが必要。
要チェック:新幹線・特急の自由席で90%確実に座る方法を考察
到着アナウンスが流れ始めたら客室内の通路へ移動
まずは、駅に到着する故のアナウンスが流れ始めたら客室内の通路へ移動すること。
「♬~(車内チャイム)~♬ まもなく〇〇(駅名)です。△△線はお乗り換えです。…今日も新幹線をご利用くださいましてありがとうございました。 Ladies and gentlemen, we will soon make a breid stop at 〇〇…」
というアナウンスが流れ始めたら速やかに客室内の通路へ移動し、そこで降りる準備をしている着席者がいたら、その座席の近くへ移動して座席を確保する準備に入る。
デッキに残ると誰が降りていくかわからない上、乗り降りの通行の妨げとなってしまう。
こうするだけでも、途中駅から自由席にて空いたを座席に座れる確率がぐんと上がる。
降りていきそうな人を見分け方
降りそうな人を見分けるポイントは以下の4点。
- 同行する家族・友人・ビジネスマン同士で「ここで降りるよ」などと話している
- 頭上の棚から荷物を取り出している
- ゴミを片付け始めている
- 倒していた状態のリクライニングを戻している
といった行動が挙げられます。
最も簡単で分かりやすいのが、降車駅が近づくと一緒に移動している人に列車を降りることを伝えるしぐさ。
外国人だと言葉がわからないが、日本人であれば100%座席が空くことが判断できる。
上記の4点の行動が見られた人が座る座席周辺にて待機しておくのが、途中駅にて空いた座席を狙うコツである。
列車ごとの自由席の混雑の差
同じ路線であっても、列車名によって自由席の混雑差があるところが新幹線を中心に多い。
在来線特急の場合は、そもそも列車種別が「特急○○」という1つしかないところがほとんどだが、新幹線では「のぞみ」「ひかり」「こだま」のように同一路線で複数の名称の列車が走っているのがほとんど。
それぞれ停車駅や運転区間によって、自由席の混み具合は大きく異なる。
新幹線の列車ごとの混雑の傾向
3段階にまとめると
- 非常に混雑|のぞみ号、みずほ号、やまびこ号、つばさ号、はくたか号
- ふつう|ひかり号、さくら号、なすの号、あさま号、とき号
- 空いている|こだま号、つばめ号、たにがわ号、つるぎ号
基本的に自由席で満席になりやすいのは速達列車。停車駅が少ない便ほど混む。
逆に各駅停車型の列車は自由席でも空席が目立つ。
各停タイプは指定席よりも自由席の車両が多いことも影響。
なお、自由席のみならず指定席でも同じ傾向が見られる。