JR上野東京ラインにも新型車両E235系が投入される可能性はないのだろうか。それまでの2つの種類の新しい車両が誕生するごとに近郊型の車両としても投入されてきたが、今回は添え置きとなってしまうのだろうか。
山手線に導入され始めたJR東日本の新型車両E235系であるが、初日からTASCの装置がうまく機能せず、停車位置を間違えたりするトラブルが頻発する結果となった。
その新しい電車であるが、上野東京ラインに導入される可能性はほとんどゼロに近いだろう。これまでは、E231系、E233系が他の路線で登場するたびに、新型車両が東海道線、宇都宮線、高崎線にも導入されてきた。
E231系は、2000年に初めて山手線に導入された1年後の2001年に、東海道線、宇都宮線や高崎線での運転が決定し、それまでの旧式の215系や113系と入れ替わることとなった。
E233系についても、2007年に京浜東北線や中央線快速で導入され始めた後、2012年から近郊型のものが開発されて、東海道線に、2013年には高崎線と宇都宮線で運転され始めた。
これによって、それまでの国鉄型の211系と入れ替わり、すべてJR化後の車両で運転されることとなった。
このように、首都圏の郊外へと走る代表的な3路線では、連続して2種類のモデルの車両が登場してきた歴史を持っている。
なぜ、E235系が出ない?
だが、上野東京ライン系統の路線において、E235系についても導入されるとは考えにくい。なぜなら、前回導入された車両がまだ老朽化していないからである。
一番古い車両であっても、2001年のE231系である。これが登場してから、まだ15年ほどしか経過していない。さらに、E231系のVVVF、SIVやドアエンジンなどの機器更新が2015年の秋から行われ始めた。
機器更新ということは、部品だけを交換して、引き続き運転するということを意味する。すなわち、E235系と入れ替えることなく、これから数十年は特に変更せずに運行を続く可能性が大きいといえるだろう。
また、東海道線・宇都宮線・高崎線よりも、もっと旧式の車両が走っている路線もある。E231系もE233系も走っていない路線であれば、そちらが真っ先に車両の入れ替えの対象となるだろう。